コボッリが初のグランドスラム決勝進出と世界トップ10入りを同時に達成、複雑な胸中を明かす

6月5日、「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルスで、第10シードのフラビオ・コボッリ(イタリア/世界ランク14位)が、同胞のマッテオ・アルナルディ(イタリア/同104位)の棄権により、自身初となるグランドスラム決勝進出を果たした。友人の突然の棄権による不戦勝という結末に、コボッリは会見で「今は悲しさと嬉しさが同時に押し寄せている状態だ」と複雑な胸中を露わにしている。


【動画】コボッリ、準々決勝で第4シードのオジェ・アリアシムを撃破 ハイライト

本来であれば、コート・フィリップ・シャトリエのナイトセッションで友人同士の激突が見られるはずだった。しかし、アルナルディが前夜から体調不良に見舞われ、激しい嘔吐やめまいで動くこともできない状態となり、試合直前に棄権を余儀なくされた。

午後6時にロッカー室でアルナルディ本人から直接この知らせを受け取ったコボッリは、会見で複雑な胸中を明かしている。

「約1時間前に彼から話を聞いた時は、本当に泣きそうになった。全く予想していなかったことだったし、自分自身は戦う準備を完全に整えていたから、彼を思うと本当に悲しかった」

さらに、昨シーズンから今季序盤にかけて怪我に苦しんでいた友人を思いやり、「マッテオは僕たち全員のインスピレーションの源であり、素晴らしいプロフェッショナルだ。今週の彼のテニスは素晴らしく、この4強という結果にふさわしい選手だった」と労いの言葉を贈った。

一方で、この日はコボッリにとってキャリアの大きな節目となる一日でもあった。

アルナルディから棄権の告知を受ける直前、コボッリのもとへ父親が駆け寄り、チーム全員で大きなハグを交わしていた。今大会の決勝進出によって世界ランキングでトップ10入りを果たすことが決まり、その喜びをチーム全員で分かち合っていたからだ。キャリア最高位を更新するたびに全員でハグを交わすのがチームのルーティンであり、今回もいつも通りに喜びを爆発。それでもコボッリは「今は悲しさと嬉しさが同時に押し寄せている状態だ」と、興奮と複雑な胸中を明かした。

これまでのキャリアを振り返り、コボッリは「テニスを始めた人間なら誰しもが掲げる、長年のハードワークの目標だ。
僕自身、常にこの場所(トップ10)にいることを夢見てきた」と感慨深げに語った。

不戦勝により、日曜日の決勝まで中4日という長い空白期間が生まれることになる。実戦感覚への影響について問われると、「ほぼ4日間試合がない状態になるので、試合のリズムを失うリスクはある。ただ、今日のウォーミングアップでも非常に良い感触だったし、この後ももう一度コートに入って練習する予定だ。決勝に向けて準備は万全だし、体力が完全にフレッシュな状態で臨めることは確か。これが吉と出るか凶と出るかは、決勝が終わった後に分かることだと思う」と冷静に分析した。

コボッリは日曜日に行われる決勝で、ヤクプ・メンシク(チェコ/同27位)を下して勝ち上がった第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)と対戦する。両者ともに、初となるグランドスラムのタイトル獲得をかけた運命の一戦に挑む。
編集部おすすめ