秋は、じゃがいもの栽培を始めるのにぴったりの季節です。じゃがいもは育てやすい丈夫な植物なので、園芸初心者にもおすすめ。

1つのタネイモから沢山のじゃがいもが収穫できるので、コスパ面でも優秀な作物です。



この秋からじゃがいもを育ててみたいけど畑もないし、深いプランターを置く場所も…と悩む人もいるかもしれません。



しかし、心配はいりません!畑もプランターも無くても、じゃがいも栽培は可能です。



種となるタネイモと、容量15リットル以上の市販の野菜用培養土あれば他に何も要りません。今回は畑もプランターもいらない、市販の培養土を袋ごと活用したじゃがいもの袋栽培について解説します。



■秋にじゃがいもを袋栽培するメリット



じゃがいもは冷涼な気候を好む作物。初心者のじゃがいも栽培デビューにも秋植えは最適です。じゃがいもを袋栽培するメリットを紹介します。



畑やプランターがいらない

じゃがいもの袋栽培に畑やプランターは不要。ホームセンター等で買ってきた野菜用培養土を、袋ごとそのまま使うだけなので、とてもカンタンです。



事前の準備が少ないだけでも、挑戦するまでのハードルがかなり下がります。園芸初心者でも気軽に挑戦できるのが嬉しいポイントです。



片付けが楽

じゃがいもを収穫して栽培を終えたら、袋だけゴミとして処分できるのも袋栽培のメリットです。



使用済みのプランターのように保管場所を確保しなくて良いので片付けも楽。

そのまま袋から出してしまえば、収穫もラクラクです。



秋ジャガイモ特有の難点もクリアしやすい

秋栽培のじゃがいもは、温度変化への対応が大切になります。気温が高い時期は直射日光が当たらない場所に移動し、
寒くなってきたら霜よけができて、日がよくあたる場所で育てれば大丈夫です。



場所を動かせない畑や大きさのあるプランターに比べ、袋栽培は気候気温に合わせて移動できるのがメリットです。



■袋栽培の準備をしよう



それではさっそく、じゃがいも袋栽培の準備をしましょう。



じゃがいも栽培における袋と土の準備

じゃがいもの袋栽培では、じゃがいもの緑化を防ぐため光を通さない材質の袋を使いましょう。



最もおすすめなのは、野菜の培養土を買ってきて、その袋と培養土をそのまま使うこと。容量15L以上の袋に入った培養土を用意して下さい。市販の培養土は清潔な状態に保たれているため、病害虫の発生も抑えられます。



袋を用意したら、底部と側面下部に30箇所ほど水抜き穴を開けましょう。ドライバーなどを使えば簡単です。培養土が入ったままで構いません。



培養土の袋上部をハサミで横に切り、封を開けましょう。培養土を半分ほど袋から出し、別容器に分けておきます。

後に「土寄せ」の作業が必要となるので、その時に使うためです。



土寄せ用の土を取り出し、袋の高さの余った部分は端を折り、折り曲げて短くします。



タネイモの植え付け

土寄せ用の土を袋から出したら、タネイモの植え付けに入ります。秋植えの場合、9月が植え付け適期です。タネイモは小さいものをまるごと植え付けましょう。



土の入った袋の中心に深さ約10センチの穴を作り、その中にタネイモを植え付けます。覆土は5~7センチほどの厚みを意識してください。



秋栽培の場合は、タネイモの芽が出るまで水やりはしません。タネイモの様子を観察しながら、芽が出てきたのを確認できたら水やりを始めましょう。



底の水抜き穴から水があふれ出る位にたっぷり水やりをして、植え付けは完了です。



■「袋栽培のじゃがいも」育て方



次に、植え付け後のじゃがいもの管理について解説します。



芽かき

タネイモが発芽し、芽が10センチほど伸びた頃に芽かきをします。芽かきとは、複数の芽が出た時に生育の良いものを残し後は摘み取る作業のこと。ハサミで切らず、手で根元から抜くようにします。



抜き取る芽の株もとを押さえ、もう片方の手で根本を持ち、ゆっくりとひねりながら抜きましょう。また、抜いた芽を20センチ間隔で植えておくと、じゃがいもが出来ます。



土寄せ

芽かきが全て終わったら、1回目の土寄せをします。じゃがいもが地表に出て緑化するのを防ぐために、株もとに土を盛り上げて寄せるようにする作業です。



土寄せには、最初の準備の際に土寄せ用に分けておいた培養土を使います。2回目の土寄せは、つぼみが付いた頃です。他にも、雨風の影響等で地中のじゃがいもが露出してしまった時など、適宜土寄せをして下さい。土寄せは、たっぷりの土で行いましょう。



■「袋栽培のじゃがいも」収穫の方法



上部の枝葉が枯れ、黄色くなり始めたら収穫適期のサインです。この時期は水やりをなるべく控え、土壌を乾かすことを意識しましょう。



収穫は晴れた日に行うのが、保存の観点からもおすすめです。ジャガイモが肥大していることを確認し、株ごと掘り上げて収穫します。



袋栽培なので、そのまま袋をひっくり返してもゴロゴロと実ったじゃがいもが出てきます。そのような収穫方法も可能です。



収穫したジャガイモは1~2時間ほど掘り起こした場所で乾燥させ、その後3~7日ほど日陰で表面を乾燥させます。
緑化を防ぐため日光に当たらないよう、コンテナや段ボールに入れて冷暗所で保管しましょう。



■まとめにかえて



下準備、植え付け、収穫、そして後片付けまで、じゃがいもの袋栽培は手軽さが最大の魅力。家庭菜園をやってみたいけれどなかなか踏み出せなかった…という人にも、じゃがいもの袋栽培は特におすすめです。



この秋、じゃがいもの袋栽培から家庭菜園を始めてみませんか?



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