今日のレンジ予測

[本日のドル/円]上値メドは115.75下値メドは113.90

[WFH] 在宅勤務は、究極的には経済活動人口を増やす。スタートアップ企業が増えたり、子育て世代が、仕事を通勤時間ではなくスキルで選択できたりするようになる
[中国] 中国人の婚姻率が減少。中国農村部の結納金が平均500万円に高騰。

年収6年分に相当


 ドル/円は円安に動きました。


 この日政策会合を開いたBOE(イングランド銀行)とECB(欧州中央銀行)は、FRB(米連邦準備理事会)に続いて、高インフレ対策のため金融政策を引き締め方向に転換しようとしています。インフレ上昇は日本も例外ではない。しかし、この日、日銀副総裁から出てきた発言は「必要ならば追加緩和を行う」。円はドルだけではなく、ユーロやポンドに対しても売られました。


 本日は、米国の1月の雇用統計の発表です。

FRBの金融政策は、雇用安定から物価安定を重視する方向に完全に切り替わっています。失業率や就業者数が多少悪化したところで、それは単なるノイズとして処理され、利上げ方針に与える影響はない。


 しかし、もし今夜の非農業部門雇用者数が増加ではなく「減少(マイナス)」に落ち込んだ場合はどうなるか。ADP発表による1月の雇用データは▲30.1万人でした。利上げ中止の可能性は低いとしても、少なくともマーケットが期待していた、来月0.5パーセント利上げのチャンスは限りなくゼロになるでしょう。FRBもこれまでほど強気ではいられない。

ECBはよりタカ派へ。方向はドル安を示しています。


 3日(木曜)のドル/円は「円安」。24時間のレンジは114.33円から114.99円。 


 2022年の24営業日目は114.39円からスタート。上値の重さは変わらないものの、113円台入口の手前には買いもあり下げは浅い。

東京時間昼前につけた114.33円がこの日の安値。


 ECBの政策金利発表後は、ユーロ/円などクロス円が主導する格好でドル/円の上昇が加速。NY高値終了前に114.99円まで上昇しました。しかし、115円にはあと一歩届かず、終値は114.99円(前日比+0.56円)


 この日BOE(イングランド銀行)とECB(欧州中央銀行)の2022年最初の会合が行われました。BOEは利上げ。ECBは金利を据え置きましたが、インフレにアップサイドのリスクが強まっているとの認識を示しました。

ECBは2023年まで金利を据え置く考えを示していましたが、この日記者会見を開いたラガルド総裁は年内利上げの可能性を否定しませんでした。


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主要指標 終値

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今日の為替ウォーキング

今日の一言

「大事の義は、人に談合せず、一心に究めたるがよし」 - 伊達政宗


Kinds In America

 今週発表された、民間版の雇用統計であるADP雇用データの1月は予想の+20.7万人に対して、▲30.1万人という驚くほど悪い結果でした。


 今夜発表されるBLS(米労働省労働統計局)の雇用統計が、同じように予想を大幅に下回るなら、すぐに労働賃金を注意深く確認する必要があります。企業が少ない人材を確保するために賃上げを急いでいるならば、それはいずれモノの値段に転嫁されることになり、FRBはインフレ上昇を抑えるために利上げ姿勢をさらに強めることになります。


 逆に予想より強い結果ならば、雇用統計のADPの相関関係は低いことを示します。ADPが予想に役立たないと知ることよりも、なぜそのような大きな違いが発生するのかを検証する必要があるでしょう。


 アメリカの雇用はもう増えないのか?その理由は、1月雇用統計詳細レポート 「ベビーブーマーよ、さようなら。

インフレよ、こんにちは。アメリカの雇用は、もう増えない。」 をご覧ください。


 BLSが今夜発表する1月の雇用統計の市場中心値は、NFP(非農業部門雇用者数)は17.0万人の増加。失業率は3.9%で横這い。平均労働賃金は、前月比0.5%増、前年比5.2%増の予想となっています。


 昨年1月から12月までの雇用者増加者数は月平均49.4万人。

NFPの伸びは明らかに鈍化している一方で平均労働賃金の強さが目立ちます。賃金を引き上げることで「残り少ない」労働者を確保しようとする会社が増えているようです。


 米国の労働市場では、2020年4月から2021年12月までの21カ月間で、非農業部門雇用者数は合計約1,880万人増加しましたが、新型コロナ発生前の2020年2月前に比べるとまだ約360万人少ない状況。


 就業者数は2021年1月から12月までの1年間で、毎月平均53.7万人増加しています。今後もこのペースを維持するなら、2022年7月には雇用市場はコロナ前の状態に戻ることになります。しかし、最近の雇用者数の急激な伸び悩みを見ると、達成日は後ずれしそうです。


 1月4日に公表された最新のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録によると、FRBは雇用市場が完全雇用の状態に戻るのを待たず、3月には利上げするとの見方が有力になっています。FRBがコロナ対策として緊急利下げに踏み切ったのは2020年3月3日。それからほぼ2年でFRBは利上げサイクルに入ることになります。当時のマーケットは、世界的低金利が今後40年間続くと考えていたので、隔世の感があります。


 雇用統計でパウエルFRB議長や海外投資家が気にしているのは、非農業部門雇用者数よりも、労働参加率。労働参加率とは16歳以上の就業可能な生産年齢人口に占める労働力人口のこと。11月の労働参加率は、若干上昇して61.8%になりました。労働参加率はコロナ禍前の2020年2月よりも1.5ポイント低く、いまだにその差を埋められていません。


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今週の重要経済指標

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今日の注目通貨:ユーロ/円、ポンド/円

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(荒地 潤)