サッカー日本代表は6~7月の北中米W杯で米テネシー州ナッシュビルをベースキャンプ地とする。カントリー音楽の中心地として有名な街。

日系企業が進出し、親日的な都市としても知られる。世界一を目指す森保ジャパンにとって、快適に過ごせる環境の上、地元の応援も味方に試合に備える。また、6月上旬からの事前キャンプと、1次リーグ(L)第2戦のチュニジア戦を行うメキシコ・モンテレイも、親日家が多く“ホームアドバンテージ”が期待できそうだ。

 日本代表のベース合宿地はとても親日的で、世界一への追い風となる。ナッシュビル在住32年で、2015年から1期(4年)、地元の市議会議員を務めた日系米国人の美奈ジョンソンさんは「(キャンプ地決定の)ニュースを見た時にうれしいよね、何かやりたいねと。日本人コミュニティーを中心に盛り上げたいという声が上がりました」と胸を高鳴らせた。

 ナッシュビルは日産自動車、ブリヂストンといった日系企業が進出しており、近隣の街を合わせ、日本人が1000人弱在住する。美奈さんは「東京も(電車の)各駅によって雰囲気が全然違う。ナッシュビルもそんな感じです」と多様性を強調。観光客が集まる中心地は高層ビルが並び、大学がある静かなエリア、移民が増えて最近ひらけた場所もある。アメフトやアイスホッケーのプロチームがありスポーツが盛んだ。

 毎年4月には市内で日本文化の祭典「桜祭り」が実施され5、6万人ほどが集まるそうだ。

アニメキャラクターのコスプレをした来場者もおり、日本文化の紹介、太鼓のパフォーマンス、日本食など屋台も立ち並び、近隣の州から訪れる人もいて盛大に行われる。

 地域の人々の気質は日本人と同様、「おもてなし精神」があるという。テネシー州は“ボランティア州”とも言われ、16年前の洪水の時には住民たちが物資などを届けたり、今年は停電に見舞われたが、そこでも助け合いの精神が根底にあり、“サザン・ホスピタリティー”(南部のおもてなし)の文化が根付く。

 この街がユニークなのはバチェラー・パーティー(男性)、バチェロレッテ・パーティー(女性)で有名な点だ。結婚式を控えた男女が友人たちと着飾って街に繰り出し、羽目を外してお祝いする風習。それだけ女性が夜間に出歩けるくらい治安も良いといえる。

 街の雰囲気、気候など、これまでキャンプの成否は日本のW杯の大会成績を左右してきた。おもてなし精神が根付き、文化的特色ある街を拠点に、最高の調整を行う。(岩原 正幸)

◆鎌倉市と提携

 〇…ナッシュビル市は神奈川・鎌倉市と2014年9月にパートナーシティー提携を締結し、両市は交流を深めている。ブルーグラス音楽(アコースティックの一種)による市民間の交流がきっかけとなり、発展した。2年前にはナッシュビル市長はじめ34人の訪問団が鎌倉を訪れた。鎌倉市の担当者は「ナッシュビルと日本の交流がどんどん深まれば」と、パートナー市が森保ジャパンの合宿地に決定し、喜んだ。

 ◆ナッシュビル 米中東部に位置するテネシー州の州都で同市の人口は60万人。面積は1360平方キロメートルで東京都のおよそ60%。カントリーミュージックの“聖地”と言われる。昨年クラブW杯が開催されたが、W杯試合開催都市ではない。6月の最高気温は28~31度と過ごしやすい。日本が1次L1、3戦目を戦うダラスとは時差がなく、距離は約1000キロ、空路で約2時間。日本代表はMLS(メジャーリーグサッカー)のクラブ、ナッシュビルSCの練習施設(23年開設)を使用。天然芝のピッチやジム、サウナが完備されている。

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