セルジオ越後の「新・サッカー一蹴両断」(32)

【サッカー日本代表】セルジオ越後「スウェーデンは嫌な相手」「...の画像はこちら >>

 北中米ワールドカップ、サッカー日本代表のグループリーグ3戦目の相手がスウェーデンに決まった。おなじみのご意見番、セルジオ越後氏に、その印象、そして、あらためて大会展望を聞いた。

日本が何度もはね返されてきたベスト16の壁は、今度こそ破れるのか? そのために必要なこととは?

【エースのギェケレシュは強烈だ】

 スウェーデンは欧州予選グループBで2分け4敗の最下位。それでもUEFAネーションズリーグの成績上位国にプレーオフ出場権が与えられる新方式に救われた。そしてプレーオフも2試合ともホームで本大会出場を決めた。おかしなルールだし、スウェーデンが悪いわけじゃないけど、ちょっとずるいなとも思う。

 とはいえ、日本にとっては嫌な相手だ。先ごろ親善試合で対戦したスコットランドよりも強い。プレーオフの2試合を見たけど、エースのギェケレシュ(アーセナル)は強烈だ。2試合で4得点。長身(189cm)でスピードもあり、足元もうまい。現在故障中のイサク(リバプール)が復帰してきたら守るのは大変だね。

 チームとしても、欧州予選で1勝もできなかったというのが信じられないくらい、まとまりがあった。予選終盤に監督を交代したのが功を奏したのだろう。

 そのスウェーデンを含め、あらためて日本の入ったグループFを見ると、死の組とまでは言わないけど、他のグループよりも厳しい印象だ。

 突破のカギを握るのは、やっぱり初戦。過去のワールドカップを振り返っても、日本は初戦に負けた大会はすべてグループリーグで敗退している。今回も、初戦のオランダ戦は引き分け以上の結果が欲しい。オランダとしても2戦目の相手がスウェーデンなので、初戦の日本戦は勝ち点3を取りにくるだろう。いきなりヤマ場だね。

 そのオランダ戦と続くチュニジア戦を終えた段階で、最低でも勝ち点4が欲しい。そうなればグループ通過はほぼ確実となり、3戦目のスウェーデン戦は、選手の起用法など決勝トーナメント以降を見据えた戦い方ができる。余力を残してグループリーグを終えたいところだ。特に、今の日本はカウンター狙いのサッカー。攻撃の選手は守備を含めて長い距離を走るので、消耗が大きいからね。

【ベスト32の相手は強敵しかいない】

 そして、問題は決勝トーナメント1回戦(ベスト32)だ。グループリーグを1位か2位で通過すれば、おそらく相手はブラジル、モロッコのいずれか。

また、出場国が32から48に増えた今大会は、グループ3位でも決勝トーナメント進出の可能性があるけど、その場合は他グループの1位のチームとの対戦になる。つまり、強敵しかいない(苦笑)。

 モロッコは前回のカタールワールドカップのベスト4。今年に入ってからも、アフリカネーションズカップで優勝している(*決勝で対戦したセネガルが没収試合となり優勝取り消し、モロッコの3-0という扱いに)。何試合か見たけど、いい選手が揃っていて、勢いがある。はっきり言って、ブラジルよりも手強いと思う。

 そのブラジルも弱体化したとはいえ、日本に2連敗することは王国のプライドが許さないよ。そこをなんとか勝っても、まだベスト16だからね。ワールドカップを勝ち上がることの難しさがよくわかる。

 森保一監督や選手たちは「優勝」と言い続け、それに乗っかり、煽るメディアも多いけど、ベスト16どころかベスト32で終わる可能性もある。僕としては、これまで破れなかったベスト16の壁をクリアしてくれれば大満足だよ。

 昨年10月のブラジル戦(○3-2)の後、インタビューで「ワールドカップ優勝を約束できますか?」と聞かれた上田綺世(フェイエノールト)が「約束はできません」「チャレンジします」と答えていたけど、それが選手の本音だろう。

 南米とヨーロッパの国以外でワールドカップに優勝した国はないし、まだ8カ国(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、ドイツ、イタリア、フランス、イングランド、スペイン)しかない。その壁は簡単に破れないよ。現実的な目標はベスト8だ。

(31)を読む>>>サッカー日本代表のイングランド撃破に、セルジオ越後は「森保監督や選手たちが大喜びせずに冷静だったのが一番の収穫」

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