インテルの2026年12月期1Qは、7.2%増収、営業赤字31.36億ドル。ただし、のれん減損を除けば営業利益は約8億ドルだった。
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本レポートに掲載した銘柄: インテル(INTC、NASDAQ)
1.インテルの2026年12月期1Qは、7.2%増収、営業赤字31.36億ドルだが、のれん減損を除けば営業利益約8億ドル、黒字転換。
インテルの2026年12月期1Q(2026年1-3月期、以下今1Q)は、売上高135.77億ドル(前年比7.2%増)、営業損失31.36億ドル(前年同期は3.01億ドルの損失)となりました。営業損益は前4Q5.80億ドルの黒字から大幅赤字になりましたが、これは子会社モービルアイののれんの減損39.65億ドルを計上したためで(リストラその他の費用40.70億ドルに含まれる。前1Qは1.56億ドル)、これがなければ約8億ドルの営業黒字でした(セグメント別では本社経費等の中にのれんの減損が含まれる(表2))。
今1Qのセグメント別動向は以下の通りです。
CCG(クライアント・コンピューティング・グループ): 主にパソコン用CPUを生産販売しています。今1Qは、売上高77.27億ドル(前年比1.3%増)、営業利益25.16億ドル(同6.6%増)となりました。最新の生産設備「インテル18A」(TSMC2ナノ相当)の立ち上げが遅れているため、今期2026年12月期のインテル全体のウェハ生産は今1Qが最も少なかった模様です。
一方で、パソコン向け、サーバー向けともにCPUを値上げしたため(3月の報道によれば、パソコン向け、サーバー向けともに10~15%値上げした模様)、1.3%増と小幅ですが前年比で増収になりました。値上げにより、営業利益率は前1Q30.9%、前4Q27.0%から今1Q32.6%へ上昇しました。
DCAI(データセンター&AI):主にサーバー用CPUを生産販売しています。今1Qは、売上高50.52億ドル(同22.4%増)、営業利益15.42億ドル(同2.68倍)となりました。CPUの値上げ、サーバー用CPUにウェハを優先供給したこと、生成AI向けに高性能高価格のCPUの需要が増えたことが好業績に繋がりました。
生成AIを開発するシステム、運用するシステムにとっては、AI半導体だけでなく、CPUが重要になっています。会社側によると、特に推論では、過去はCPU1に対してAI半導体8の比率でCPUとAI半導体が使われていましたが、現在はCPU1に対してAI半導体4になっています(個数ベースと思われる)。CPUのほうが効率よく処理できることが多くなっているためです。
生成AIシステムに使われるCPUは、インテルの新製品である開発名「グラナイト・ラピッズ(Granite Rapids)」、製品名「Intel Xeon 6 シリーズ」(第6世代Xeon(ジーオン)。日本では2026年3月発売)のような高性能高価格のCPUを使う場合が多いと思われます(グラナイト・ラピッズの日本での店頭価格は、高いもので約281万円)。
このため、営業利益率は前1Q13.9%、前4Q26.4%から今1Q30.5%へ上昇しました。
インテル・ファウンドリ:このセグメントでは、CCG、DCAIの生産と外部企業向けファウンドリ事業(半導体受託生産事業)を行っています。今1Qは売上高54.21億ドル(同16.2%増)、営業損失24.37億ドル(前年同期は23.20億ドルの赤字)となりました。サーバー用CPUの生産が増えたため二桁増収となりましたが、インテル18Aの生産立ち上げの途中なのでコストがかかっており、前年同期と同水準の赤字となりました。
表1 インテルの業績
表2 インテルのセグメント別業績(四半期)
2.ウェハ生産量は今2Qから増加へ。サーバー用CPUの好調が続こう。
今2Qの会社側業績ガイダンス(GAAPベース)は、売上高138億~148億ドル、売上総利益率37.5%、税率4%、1株当たり利益(EPS)0.08ドルです。ここから今2Q業績のレンジ平均値を計算すると、売上高143億ドル(前年比11.2%増)、当期純利益4億ドル(前年同期は29.18億ドルの赤字)となります。
会社側の今2Qの見方では、CCGは今1Q比一桁増収になる見込みです。メモリその他の部品、資材価格上昇とそれに伴う値上げによって、2026年の業界全体のパソコン販売台数は前年比で10%前半の減少になると会社側は予想しています。このため、値上げ効果はありますが、CCGの今2Q~4Q業績は悪化すると予想されます。
一方で、今1Qに発売したモバイルPC向け「Core Ultra Series 3」(開発名「Panther Lake(パンサー・レイク)」)の量産が今後軌道に乗ると思われます。パンサー・レイクはオンラインゲームの使用に耐える高性能GPUを内蔵した新型CPUです。
DCAIは、インテル18Aの歩留まりが上昇し、サーバー用CPUへのウェハ供給量が増えると予想されるため、業績好調が予想されます。会社側ではDCAIの今2Qは今1Q比10%台の増収を見込んでいます。生成AI向けにCPU、特にXeon6のような発売されたばかりの高価格、高性能CPUが売れていることが業績に寄与すると思われます。
また、インテルとアルファベット傘下のグーグルは2026年4月9日、グーグル・クラウドへのXeon6の導入、IPU(インテルが提唱するデータセンターにおけるネットワーク、ストレージ、セキュリティなどのインフラ処理を専門に行うプロセッサ)の共同開発を進めることで合意しました。いずれも複数年の契約になる模様です。主にDCAIセグメントに寄与すると思われます。
インテル・ファウンドリは、当面はサーバー用CPUの生産増加に見合った増収と赤字が続くと思われます。ただし、このセグメントでは重要顧客を獲得しました。2026年4月22日、テスラのイーロン・マスクCEOは、同社の半導体製造プロジェクト「テラファブ」(テスラ、スペースX、xAI向けプロジェクト)で、インテルの最先端生産プロセス「14A」(TSMC1.4ナノ相当)を採用する計画を明らかにしました。これにより、テスラは「A14」でインテル初の主要顧客となります。
今期設備投資については、会社側は従来の横ばいという表現から前年と同水準に言い換えました。楽天証券予想は前回予想と同じ前年比横ばいの147億円ですが、サーバー用CPUの需要が強いため、上乗せの可能性があります。前期にスペース拡大が終わったので、今期の設備投資の中心は製造装置になる見込みです。
これらを総合的に考慮して、楽天証券ではインテルの業績を、2026年12月期は売上高575億ドル(前年比8.8%増)、営業損失16億ドル(前期は22.14億ドルの赤字)、2027年12月期は売上高700億ドル(同21.7%増)、営業利益70億ドル(黒字転換)、2028年12月期(参考値)は売上高790億ドル(同12.9%増)、営業利益110億ドル(同57.1%増)と予想します。2026年12月期は前回予想に比べて下方修正ですが、のれんの減損を除くと実質上方修正、2027年12月期、2028年12月期は上方修正します。
今後のインテルは、急速な業績回復と再成長の可能性があります。
なお、2026年4月24日に中国の生成AI「DeepSeek v4」が公開されました。料金はClaude Opus4.6の7分の1、各種ベンチマークテストも良好で、ファーウェイ製AI半導体のみで運営されています。オープンソースなので、自由に研究することができます。「DeepSeek v4」の登場によって生成AIのインフラ構築で進行中の低コスト化が加速するようであれば、サーバー、パソコンの両方でCPUの役割が増えることになると思われます。これはインテルにはプラスと思われます。
表3 インテル:2026年12月期2Q会社側業績ガイダンス
表4 インテルの半導体製造プロセス
表5 インテルのセグメント別業績(通期)
グラフ1 インテル:設備投資(四半期ベース)
グラフ2 インテル:設備投資(通期ベース)
3.インテルの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の55ドルから110ドルに引き上げる。
インテルの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の55ドルから110ドルに引き上げます。
長期的な視点から、楽天証券の2028年12月期予想EPS(参考値)1.85ドルに、2028年12月期営業増益率57.1%に対して、PEG=1.0~1.1倍前後として業績回復と再成長を織り込んで若干のプレミアム評価を行い、想定株価収益率(PER)60倍前後を当てはめました。
引き続き中長期で投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄: インテル(INTC、NASDAQ)
(今中 能夫)

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