空港の保安検査場といえば混み合うことも多いものですが、保安検査員がこれをいかに的確に、スムーズに対応できるかを競うコンテストが実施されました。現役の検査員に、スムーズに通過するコツも聞きました。
JALグループは2017年11月6日(月)、羽田空港にて「JAL空港保安検査員お客様対応コンテスト」を開催しました。空港の保安検査における安全性や業務の的確さ、案内のスムーズさを競うというものです。
空港の保安検査場でおなじみのシーン。その対応力を競う(2017年11月6日、石津祐介撮影)。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて増加する旅客需要に対し、空港においては厳重かつ厳格な保安体制が求められるなか、JALグループはよりスムーズにストレスなく検査を通過してもらえるよう空港警備各社とのあいだで連携を密にしており、今回のコンテストは保安検査のさらなる品質向上を目指して開催されました。

空港の保安検査場を模したコンテスト会場(2017年11月6日、石津祐介撮影)。
参加チームは、JALグループの便が就航する国内空港のうち顧客アンケートで評価の高かった上位5空港にて保安検査に従事する、それぞれ羽田空港からにしけい、旭川空港からセノン、成田空港からジェイ・エス・エス、中部空港から全日警、熊本空港から熊本空港警備の5社。各チーム男女ペアの5組10名がコンテストに臨みます。
コンテストの課題から見えた? 検査場がああも混雑するワケ審査の評価ポイントは「確実」「迅速」「丁寧」の3つ。各チームは制限時間10分以内にそれぞれ、花火を持ち込もうとしたり、搭乗券を持っていなかったり、英語が通じないタイ人だったり、検査機が反応したり、そして英語しか話せなかったりといった、5人の乗客へ対応します。
花火を持ち込もうとする搭乗客は機内に持ち込めない理由を説明されるも、「少しくらいなら問題ないだろう」と反論。検査員は「花火は危険物」と諭し理解を得ようとします。

花火が危険物で機内に持ち込めないと説明。

英語が通じないタイ人にパネルで説明を行う。

検査器に反応する危険物を金属探知機で探す。
空港の保安検査場は混み合うことも多いものですが、こうしたコンテストの課題を見るに、普段から実に様々な乗客がいるだろうこと、そしてひとりひとりの意識や認識の差が、混雑が生じる要因のひとつであろうことが容易に推察されます。乗客としてスムーズに検査場を通過するためには、どのような点に気を付けたらよいのでしょうか。
保安検査場をスムーズに通過するためには?保安検査場をスムーズに通過するための留意点などについて、コンテストに参加した保安検査員に話を聞きました。
——検査場で慌てないように、スムーズに通過するためにはどうすればよいのでしょうか?
やはり金属製品です。
——身につけている金属も外したほうがいいのでしょうか?
ピアスやイヤリングは大丈夫ですが、大きな金属のバックルは反応しますので外したほうがいいですね。
——他に外した方がよいものはありますか?
この時期に多いのですが、カイロです。あれは金属なので、貼るタイプのカイロにも反応します。また雪国で履かれるような、スパイク付きのブーツに反応することがあります。
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審査の結果、優勝は成田空港のジェイ・エス・エス、審査員特別賞は羽田空港のにしけいと中部空港の全日警がそれぞれ受賞しました。

優勝した成田空港の保安検査を行うジェイ・エス・エスの五十嵐勝博さん(左)と大賀慧莉菜さん(2017年11月6日、石津祐介撮影)。
優勝したジェイ・エス・エスの五十嵐勝博さんは「これからも日々スキルの向上とお客様に満足していただけるような接客を意識したい」とし、大賀慧莉菜(えりな)さんは「(コンテストへ参加する)時間を作ってくれた人たちのためにも、成績が残せてよかった」と受賞の感想を述べました。