広い海を自由に泳ぎ回る魚の生態を調べるのに、その「眼」に蓄積された情報が役立つことが判明しました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
「目玉」からカツオの行動履歴が分かる?
わが国で愛される魚の一つカツオ。まもなく日本沿岸を北上する「初鰹」のシーズンとなりますが、秋には逆に北から南下する「戻り鰹」がシーズンを迎えます。
このように、カツオは日本沿岸を広く回遊する性質があり、それ故にその詳細な生態がわかりにくい魚でした。しかし先日「あるカツオのそれまでの生態」を調べるための手法が開発されました。
福井県立大学や東北大学などのグループによって開発されたその手法は、カツオの「眼球」に残された情報を読み取る、というもの。
カツオの眼球にある水晶体は、細胞が薄く積み重なるようにして成長していきます。そしてその細胞が積み重なった層には、そのカツオが食べてきたものに由来する成分が含まれており、それを調べることで「そのカツオがどんなものを食べてきたか」がわかり、その餌の情報を調べることで「どのような場所で生まれ、回遊してきたか」がわかるのだそうです。
魚の眼球は口よりもものを言う
この手法は、実はカツオ以外の魚にも応用できるそうです。例えば2022年には、JAMSTECなどのグループがこの手法を用いて、マサバの回遊ルートを特定することに成功しています。
これまで回遊する魚の生態や回遊ルートを調べるのは、GPSのような記録装置を取り付けて測定する「バイオロギング」という手法が主体でした。しかしこの方法ではGPSの情報を発信するためのバッテリーを取り付ける必要があり、それが魚の行動に影響をもたらしたり、そもそもバッテリー切れの問題があるなどの無視できない欠点がありました。
眼球から生態を調査する方法(生態履歴復元)は、この欠点を補うものとして注目されており、今後も様々な魚の生態を調べるのに利用されると思われます。
他の動物にも応用可能?
さて、水晶体を持つ動物はもちろん魚だけではなく、高度に進化した眼球を持つ生物は基本的に持っています。そのためほかの生き物にも、この生態履歴復元という手法が応用できます。
たとえば水産研究教育機構のチームは2024年に、伊勢湾のジンドウイカの生態をこの手法で割り出す研究を行っています。
ヒグマの生態調査にも活用
また、北海道総合研究機構のチームは、最近非常に問題になっている「ヒグマ」の生態調査に、この手法を用いています。ヒグマの水晶体から食性の履歴を割り出すことで、例えば成長段階で木の実を食べた(≒森の中にいた)ことや畑の作物を食べた(≒里に下りて人とニアミスした)などといった情報がわかり、人とクマのトラブルを軽減するためのデータとして活用できるのではないかと期待されています。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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