4月24日、阪神競馬場で4歳以上馬によるGⅡマイラーズC(芝1600m)が行なわれる。

マイラーズCは「阪神・芝1600m」の重賞でダントツの勝利数...の画像はこちら >>

前走の心斎橋Sを豪快な差し切りで勝利したロードマックス

 このレースは、6月5日に行なわれるGⅠ安田記念(東京・芝1600m)の前哨戦として位置づけられている一戦。
2019年の勝ち馬インディチャンプは、このレース4着から安田記念を4番人気で勝利。そのほか、2012年のコスモセンサーは3着から安田記念15番人気3着、2013年のダノンシャークは3着から安田記念12番人気3着、2015年クラレントは10着から安田記念12番人気3着、2016年フィエロは4着から安田記念6番人気3着と、過去20年で14頭がマイラーズCをステップに安田記念で馬券に絡んでいる。

 安田記念では人気を落とした馬が好走しているケースも多い。安田記念で高配当馬券を当てるためにもしっかりチェックしておきたいこのレースを、血統的視点から分析していこう。

 阪神・芝1600mの重賞といえば桜花賞朝日杯フューチュリティS、阪神ジュベナイルフィリーズなどがあるが、過去15年の阪神・芝1600mの重賞に限定した種牡馬別成績を見ると、ディープインパクト産駒が23勝で、2位ダイワメジャーの7勝に大きな差をつけてダントツの成績を収めている。昨年のマイラーズCでも3番人気のアルジャンナが2着に入ったこともふまえ、今回はディープインパクト産駒を中心に狙ってみたい。


 今年は4頭のディープインパクト産駒が登録。その中からまずはロードマックス(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)を筆頭に挙げたい。

 同馬は2020年、2歳6月の新馬戦(東京・芝1600m)で勝ち上がり。GⅡ京王杯2歳S(東京・芝1400m)で2着に入り、GⅠ朝日杯フューチュリティS6着、GⅠNHKマイルC5着と、GⅠでもまずまずの走りを見せていた。

 昨秋の白秋Sは約5カ月ぶりの出走で、12kgの馬体減と状態が万全ではなかったのか16着と大敗。しかし、そこから約6カ月ぶりの前走、心斎橋S(3勝クラス、阪神・芝1400m)は最後方追走から直線で13頭を交わす豪快な差し切りを決めた。

 その前走と、2着に入った京王杯2歳Sともに1400mだが、新馬戦は1600mを不良馬場で逃げ切るという競馬だった。朝日杯フューチュリティSでもNHKマイルCでも大きく負けていないため、距離に関する不安はないだろう。

 母パーフェクトトリビュートは、芝7Fの英GⅢチャートウェルフィリーズSの勝ち馬。母系にはドバウィ、インヴィンシブルスピリット、サドラーズウェルズと欧州の名種牡馬が並んでいる。母系にダンチヒとサドラーズウェルズを持つ血統構成は、GⅠ英2000ギニーのサクソンウォリアーなどが出た成功パターンだ。血統的にも筋が通っており、重賞初制覇、その先のさらなる飛躍に期待したい。



 もう1頭もディープインパクト産駒から、レッドベルオーブ(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)を挙げたい。ロードマックスとは馬齢も厩舎も同じというプロフィールだが、本馬はすでに重賞を勝っており、実績では一枚上の存在。そのレースは2歳11月のGⅡデイリー杯2歳Sで、今回と同じ阪神・芝1600m戦だった。

 しかもその時のタイムは1分32秒4の2歳コースレコード。展開や馬場状態の違いはあるが、昨年のGⅠマイルチャンピオンシップグランアレグリアが記録した1分32秒6を上回る、極めて優秀なものだった。

 同馬はそれ以降、GⅠ朝日杯フューチュリティSで3着と敗れ、3歳となりGⅠ皐月賞で8着となったあと、骨折のため休養を余儀なくされた。
だが、前走の六甲S(阪神・芝1600m)で復帰。14㎏増と余裕残しの仕上げだったようで、7着に敗れている。ひと叩きされ、重賞を勝った時と同じ舞台で復活といきたい。

 以上、今年のマイラーズCは、ロードマックス、レッドベルオーブのディープインパクト産駒2頭に期待する。