3月31日(日)、阪神競馬場で4歳以上馬によるGⅠ大阪杯(芝2000m)が行なわれる。

大阪杯に強い「母の父クロフネ」の血 本格化した5歳牡馬とGⅠ...の画像はこちら >>

 今年は、昨年の日本ダービー馬タスティエーラと皐月賞馬ソールオリエンス、2022年の皐月賞馬ジオグリフと秋華賞馬スタニングローズ、2021年にホープフルSを勝ったキラーアビリティと、5頭のGⅠ馬が出走を予定している。

そんなのレースを血統的視点から占っていこう。

 大阪杯は、GⅠレースに昇格してから今回が8回目と歴史が浅いが、その7回のレースで血統的に目立つのは「母の父クロフネ」だ。レイパパレ(父ディープインパクト)が2021年に勝利し、2022年にも2着。そのほか、2017年にステファノス(父ディープインパクト)が2着、2020年にはクロノジェネシス(父バゴ)も2着に入っている。

 今年は「母の父クロフネ」の血を持つ馬が4頭出走する予定になっている。そのなかで筆者が本命に推したいのはプラダリア(牡5歳、栗東・池添学厩舎)だ。

 同馬の父はディープインパクトで、レイパパレやステファノスと同配合。ディープインパクト産駒はレイパパレのほかにも、2019年アルアイン、2022年ポタジェが勝利しており、最多の3勝を挙げている。さらに2着2回、3着4回と、このレースで圧倒的な成績を残している。

 プラダリアは過去のディープインパクト産駒の勝ち馬と共通点が多い。ポタジェとは母系のデピュティミニスター、ブラッシンググルーム、ミスタープロスペクターなどが共通し、アルアインとも母系のミスタープロスペクター、リボーなどが共通している。先に挙げた勝ち馬3頭がいずれも「芝2000mのスペシャリスト」というイメージが強いのもポイント。

レイパパレとアルアインは大阪杯を含む芝2000mの重賞で2勝、ポタジェは全6勝のうち5勝が2000mだ。

 プラダリアは全4勝が2200m以上で、重賞勝ちはGⅡ青葉賞(東京・芝2400m)、GⅡ京都大賞典(京都・芝2400m)、GⅡ京都記念(京都・芝2200m)。芝2000mでは3戦して2着2回という成績だ。昨年のGⅢ新潟記念(新潟・芝2000m)は4着に敗れているが、夏季の重賞だけに、目一杯の仕上げではなかったので参考外としていいだろう。

 2着2回はデビュー2戦の新馬戦と未勝利戦であり、本格化後は目一杯の仕上げで2000mを使っていないため、未知数の部分とも言える。距離が近かった昨年のGⅠ宝塚記念(阪神・芝2200m)ではイクイノックスから0秒4差の6着とまずまずの競馬だった。

最近は先行集団で競馬ができるようになり、5歳を迎えて本格化してきた印象。今ならこの距離でこそ、力を出し切れると見る。

 もう1頭も「母の父クロフネ」の馬から、父がキングカメハメハのスタニングローズ(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)を推す。大阪杯はキングカメハメハ系の勝利はないものの、スタニングローズは大阪杯と同じ「阪神・芝2000m」で行なわれた2022年の秋華賞など、阪神競馬場で5戦3勝という成績を残している。

 今回は昨年のGⅠヴィクトリアマイル以来、約10カ月半ぶりの出走となるが、乗り込みは順調で状態はよさそう。スターズオンアース、ナミュールら、同期の牝馬たちは4歳以降も古馬に混じってGⅠ戦線で好走を続けているため、それに続きたいところだ。

 奇しくも、レースが行なわれる3月31日はクロフネの誕生日(1998年生まれ)。2021年にこの世を去っているが、昨年も直仔ママコチャがGⅠスプリンターズSを勝つなど存在感を示し続けているため、孫のプラダリア、スタニングローズにも期待したい。