3月17日(日)、阪神競馬場で4歳以上馬によるGⅡ阪神大賞典(芝3000m)が行なわれる。

 このレースは4月28日に京都競馬場で開催されるGⅠ天皇賞・春(芝3200m)の前哨戦。

距離が近いこともあり、過去10年で2015年ゴールドシップ、2018年レインボーライン、2023年ジャスティンパレスの3頭が、このレースをステップに天皇賞・春を勝利している重要なステップレースだ。

阪神大賞典は「ステイゴールド系」が強い 天皇賞・春のステップ...の画像はこちら >>

 ほかにも、2015年のカレンミロティックが阪神大賞典4着から天皇賞・春で10番人気3着、同じく2016年のカレンミロティックが阪神大賞典6着から天皇賞・春で13番人気2着と、本番で穴をあける馬も出ている。そんなレースを血統的視点から占っていこう。

 JRAでは3000mより長いレースが少なく、現在行なわれているのは5レースのみ。重賞以外のレースを含めても年間8レースほどだが、そこで目立つ傾向がステイゴールド系の強さだ。

2015年以降の芝3000m以上の種牡馬別成績を見ると、ディープインパクトの14勝(136戦、勝率10.3%)が最多だが、2位は8勝(59戦、勝率13.6%)のオルフェーヴル(父ステイゴールド)で、3位は7勝(61戦、勝率11.5%)のステイゴールド。

さらに、やはり父がステイゴールドのゴールドシップも3勝(27戦、勝率11.1%)で7位につけており、まだレース数は少ないものの勝率は11%を超えていて、2着3回で連対率は22.2%とこれも高い数字となっている。

 今年は3頭のゴールドシップ産駒が出走予定。その中ではゴールデンスナップ(牝4歳、栗東・田中克典厩舎)を本命に推す。

 同馬は2走前の琵琶湖特別(2勝クラス、京都・芝2400m)で3勝目。前走の八坂S(3勝クラス、京都・芝2400m)はハナ差の2着に敗れたが、ゴール前の脚いろは勝ち馬をしのぐもので、もう1mあれば確実に交わしていたと思わせるほどの接戦だった。

 これまで9戦3勝、現在は3勝クラスで、重賞はおろかオープン競走に出走するのも初めての「格下馬」だ。

距離も2600mまでしか経験がないが、3000m以上でさらによさが出る可能性は十分にある。

 母系の血統を見てみよう。母の父タニノギムレットはGⅠ日本ダービー馬で、年度代表馬ウオッカなどの父として知られる。さらに母の父としては、パフォーマプロミス(父ステイゴールド)が、GⅡアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)など重賞を3勝したほか、天皇賞・春でも3着に入っている。今回、距離延長での格上挑戦でゴールデンスナップの能力が開花し、波乱を起こすことを期待したい。

 もう1頭もゴールドシップ産駒からメイショウブレゲ(牡5歳、栗東・本田優厩舎)を推す。

同馬は格上挑戦で出走した前走・万葉S(京都・芝3000m)を勝利。こちらも重賞初出走となるが、ゴールデンスナップに比べるとオープンで結果を出している分、格は上になる。

 血統で触れておきたいのは祖母の父ダンスインザダーク。菊花賞馬であり、種牡馬としてもザッツザプレンティ、デルタブルース、スリーロールスと3頭の菊花賞馬を出したステイヤーだ。阪神大賞典でも直仔ダイタクバートラムが2003年、孫ユーキャンスマイル(母の父ダンスインザダーク)が2020年に勝利しており、存在感を示している。

 以上、今年の阪神大賞典は、ゴールドシップ産駒ゴールデンスナップ、メイショウブレゲの2頭に期待する。