5月21日(日)、東京競馬場で3歳牝馬によるGⅠオークス(芝2400m)が行なわれる。今年は、GⅠ桜花賞を驚異の追い込みで制したリバティアイランドの1強ムードだが、他にも血統的に魅力的な馬が多い。



 まずはGⅠ桜花賞3着のペリファーニア(牝3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)。同馬は、2021年にGⅠ皐月賞、GⅠ天皇賞・秋、GⅠ有馬記念を勝ってJRA賞年度代表馬に輝いたエフフォーリアの半妹という血統だ。牝系を遡ると、3代母ケイティーズの産駒にGⅠエリザベス女王杯などを勝ったヒシアマゾンがいる。

「1強ムード」のオークスで気になる良血馬2頭 デビュー3戦目...の画像はこちら >>

昨年12月のデビュー戦で勝利したペリファーニア

 ヒシアマゾンは外国産馬のため、当時のルールではオークスや桜花賞には出走できなかったが、3歳限定だったエリザベス女王杯でオークス馬チョウカイキャロルを下し、最優秀3歳牝馬に輝いた。その後も、GⅠジャパンC(東京・芝2400m)やGⅠ有馬記念(中山・芝2500m)で2着に入っているように、オークスに出走できていたら勝てていた可能性は高い。

 また、兄エフフォーリアも日本ダービーは2着と、このコースでは悔しい思いをしているが、他の近親にはジャパンCを勝ったアドマイヤムーンもおり、この条件は決して縁のないコースではない。


 父モーリスは、天皇賞・秋など日本と香港で芝1600~2000mのGⅠを6勝。産駒は、エリザベス女王杯(芝2200m)のジェラルディーナ、GⅠスプリンターズS(芝1200m)のピクシーナイト、GⅠ大阪杯(芝2000m)のジャックドールなど、日本ではさまざまな距離のGⅠを勝利。そのほか、オーストラリアではヒトツがGⅠATCダービー(芝2400m)、GⅠヴィクトリアダービー(芝2500m)と、クラシックディスタンスのビッグレースを勝利している。

 ペリファーニア自身は3戦すべてが1600m戦だが、兄の走りやモーリス産駒の成績を考えると、2400mは向いていそう。今年4月の桜花賞では勝ったリバティアイランドと0秒2差。デビューからわずか4カ月、3戦目というキャリアを考えると大健闘で、上積みも大きいはず。
母の父ハーツクライは2014年のオークス馬ヌーヴォレコルトの父でもあり、コース適性も十分なため、良血開花に期待したい。

 もう1頭はミッキーゴージャス(牝3歳、栗東・安田隆行厩舎)を挙げる。同馬は母ミッキークイーンがオークス馬で、秋華賞も勝った名牝。その2番仔である同馬は、今年2月19日の遅いデビュー戦(小倉・芝2000m)を5馬身差で圧勝後、続く前走の1勝クラス(中山・芝1800m)を1馬身1/4差で勝ち、2戦2勝でここに臨んでくる。

 父ミッキーロケットはキングカメハメハ産駒で、現役時代はGⅠ宝塚記念(芝2200m)のほか、GⅡ日経新春杯(芝2400m)も勝利していて重賞2勝。現3歳が初年度産駒なので、産駒のオークス出走は初となる。



 ただ、キングカメハメハの系統は2010年の直仔アパパネを皮切りに、2018年は1着アーモンドアイ(父ロードカナロア)で2着がリリーノーブル(父ルーラーシップ)、2022年は1着スターズオンアース(父ドゥラメンテ)で2着がスタニングローズ(父キングカメハメハ)と、キングカメハメハ系で"ワンツーフィニッシュ"を飾った。キングカメハメハ、ロードカナロア、ルーラーシップ、ドゥラメンテと、異なる主要種牡馬が結果を出しており、このレースの適性は非常に高いと言える。

 デビューから約3カ月でのオークス制覇を目指すわけだが、過去には1982年3月7日デビューのシャダイアイバー、2006年2月26日デビューのカワカミプリンセスと、ミッキーゴージャスより遅いデビューでオークスを制した馬もいる。デビュー3戦目の優勝となれば史上最少キャリア記録を塗り替えることになるため、その記録達成にも期待したい。

 以上、今年のオークスはペリファーニア、ミッキーゴージャスの良血馬2頭に注目したい。