数字で見る大谷翔平の「得手・不得手」投手編

 大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)はロサンゼルス・エンゼルスでプレーした6シーズンに、141人の投手から計171本のホームランを打っている。4月3日に今シーズン初本塁打(通算172本目)を記録した相手、テイラー・ロジャース(サンフランシスコ・ジャイアンツ)は、彼らに続く142人目ということになる(数字は4日7日現在)。

 同じくジャイアンツに在籍しているリリーフ投手、双子のタイラー・ロジャースとも対戦したことはあるが、彼からホームランは打っていない。ちなみに、テイラーがオーバーハンドの左投手であるのに対し、タイラーはサブマリンの右投手なので、投げている時に見間違えることはない。

大谷翔平はどの投手から一番ホームランを打っている? 左腕の「...の画像はこちら >>
 大谷が最も多くのホームランを打っている投手は、フランキー・モンタス(シンシナティ・レッズ)だ。2019年6月4日、2020年8月23日、2022年5月15日と8月29日に1本ずつ。計4本のホームランを記録している。最初の3本はモンタスのオークランド・アスレチックス時代、4本目はニューヨーク・ヤンキース時代だった。

 次いで多いのは、3本塁打の5人。ホゼ・ベリオス(トロント・ブルージェイズ)、ルイス・ガルシアJr.(ヒューストン・アストロズ)、菊池雄星(ブルージェイズ)、ルーカス・ジオリト(ボストン・レッドソックス)、ランス・リン(セントルイス・カーディナルス)だ。

 大谷が3本塁打以上の6人のなかに、左投手は菊池しかいない。また、スタットキャストによると、対ベリオスと対ジオリトの各3本は、どれも推定飛距離が410フィート(約125.0m)を超えている。

 この6人を含め、大谷が15打数以上を記録している投手は24人を数える。そのなかには、ホームランを1本も打っていない相手もいる。

デイン・ダニング(テキサス・レンジャーズ)、ランス・マッカラーズJr.(アストロズ)、ネイサン・イオバルディ(レンジャーズ)、マーティン・ペレス(ピッツバーグ・パイレーツ)に、ジェームズ・カプリーリアン(前アスレチックス)の5人がそうだ。カプリーリアンは現在、どの球団にも在籍していない。

 こちらも左投手はひとり。ペレスだけだ。ほか4人に対しては打率.240未満だが、ペレスとの対戦では打率.375を記録している。

【ブルージェイズ戦はホームランの期待大?】

 大谷が10打数以上対戦している49人の投手を対象とした、打率のトップ5は以下のとおり。

1位 マイク・ファイヤーズ(前オークランド・アスレチックス) 打率.583(12打数7安打)
2位 ホゼ・ベリオス(トロント・ブルージェイズ) 打率.444(18打数8安打)
3位 ランス・リン(セントルイス・カージナルス) 打率.440(25打数11安打)
4位 フランキー・モンタス(シンシナティ・レッズ) 打率.417(24打数10安打)
5位T ライアン・ヤーブロー(ロサンゼルス・ドジャース) 打率.400(10打数4安打)
5位T ジョン・グレイ(テキサス・レンジャーズ) 打率.400(10打数4安打)

 大谷は、ベリオス、リン、モンタスの3人から、それぞれ3本以上のホームランを打っているのみならず、いずれも打率.410以上を記録している。

ベリオスとの対戦では、ホームラン3本に加え、二塁打も4本ある。

 大谷の二塁打(133本)を投手別に分けると、ベリオスからの4本が最も多く、コール・アービン(ボルチモア・オリオールズ)からの3本がそれに次ぐ。長打(335本)のトップ3は、対ベリオスの7本、対ジオリトの6本、対アービンの5本だ。

 大谷とベリオスは、今月下旬に対戦するかもしれない。今シーズンのドジャース対ブルージェイズは4月26日~28日の3試合だ。ブルージェイズのホームゲームなので、大谷はブーイングで迎えられてもおかしくない。

昨オフ、ブルージェイズのファンは『大谷がトロントに向かった』という報道に大喜びしたものの、誤報であることが判明し、失意を味わった。

 リンとは3月30日に対戦している。その結果は、1打席目がライト前ヒット、2打席目は空振り三振だった。夏のトレードでリンが移籍していなければ、8月16日~18日に再戦もあり得る。

 モンタスとは来月、顔を合わせる可能性が高い。ドジャースとレッズは5月16日~19日と5月24日~26日に計7試合を行なう。

 打率トップ5のあとふたりとの対戦は、今のところ今シーズンは実現しない。ファイヤーズがメジャーリーグで投げたのは、2021年が最後だ。6人中ただひとりの左投手であるヤーブローは、大谷の現チームメイト。昨夏のトレードでドジャースに加入した。

【大谷翔平にホームランを打たれた日本人はふたり】

 一方、打率のワースト5には、こちらの投手が並ぶ。

1位T ウェイド・ルブラン(前セントルイス・カージナルス) 打率.000(13打数0安打)
1位T クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース) 打率.000(11打数0安打)
1位T ジャスティス・シェフィールド(前シアトル・マリナーズ) 打率.000(11打数0安打)
4位T ディラン・バンディ(前ミネソタ・ツインズ) 打率.091(11打数1安打)
4位T ジェイク・ディークマン(ニューヨーク・メッツ) 打率.091(11打数1安打)

 5人のうち、バンディ以外の4人は左投手だ。

バンディとディークマンから打った各1安打も、長打ではない。

 大谷とディークマンは、シーズン序盤に対戦しそうだ。ドジャースとメッツは4月19日~21日と5月27日~29日に3試合ずつを行なう。

 2022年に現役を引退したルブランには13打席で13打数0安打、9三振と完璧に抑えられている。ただ、それぞれが北海道日本ハム・ファイターズの打者と埼玉西武ライオンズの投手として対戦した2015年は、5打数1安打ながら、唯一の安打はホームランだった。

 20打数以上では、対フランバー・バルデス(アストロズ)の打率.118(34打数4安打)が最も低い。けれども、こちらもホームランは皆無ではなく、2021年9月10日に1本打っている。

 なお、大谷がメジャーリーグで日本人投手から打ったホームランは、菊池からの3本と前田健太(デトロイト・タイガース)からの1本の計4本だ。

 日本人投手との対戦は、菊池に対して20打数6安打、前田に8打数2安打、藤浪晋太郎(メッツ)に3打数2安打、千賀滉大(メッツ)に3打数1安打、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)に2打数1安打、田中将大と有原航平にそれぞれ2打数0安打、平野佳寿澤村拓一松井裕樹(パドレス)にはいずれも1打数0安打となっている。

 今シーズン、徐々にバッティングの調子を上げてきた大谷。苦手投手を攻略し、2年連続のホームラン王はあるのか、注目したい。