この記事をまとめると
■クルマへのエンタメ機能搭載が加速している■新型メルセデス・ベンツEクラスではシームレスに結合した大型ディスプレイを採用
■エンタメを楽しむ空間&時間と考えれば、自動運転にも新鮮な喜びが得られるかもしれない
まるでフルスクリーンのシアターのような新型Eクラス
2023年はレベル3(条件付きで運転者がハンドルを握らなくてもいい自動運転)の本格稼働が見込まれています。自動車メーカーはもちろん、各種ベンダーはそこに大きな商機を見出し、さまざまなニューアイテム、アプリ、デバイスを投入しはじめていること、ご承知のとおり。
先ごろ行われたCES2023(ハイテク、ニューテクの見本市)で発表されたソニーとホンダのEVプロジェクト「AFEELA(アフィーラ)」もそのひとつにほかならず、さまざまなエンタメ機能が盛り込まれるなど、もはやクルマというよりスマホのようなニュアンスに近づいているのかと。
今年リリースされる新型メルセデス・ベンツEクラスもまた、ハードウェアだけでなく車内のエンタメ機能の拡充に重点を置いてきたようです。インテリアのテーマにスポーティ/高品質/デジタルという3つの個性を用いた結果、MBUXスーパースクリーンと呼ばれる大型ガラスが運転席から助手席までシームレスに結合。あたかも車内がフルスクリーンのシアターと化したようなイメージで、これならオプションの助手席スクリーンをオーダーしない手はありません。

スクリーンの表示パターンもクラシックとスポーティのふたつからセレクト可能で、ナビゲーション、アシスタンス、そしてサービスという3つのモードで画面グラフィックが変わるというのも飽きがこなさそうなギミックでしょう。
たとえば、クラシックをセレクトすると昔ながらの円形メーターがふたつ並び、オーソドクスなドライビングスタイルを提供。その他、クルマにかかわる情報も表示されるので、オールドスタイルなドライバーでも戸惑うことがありません。また、スポーティをセレクトすると、レブカウンターを備えたディスプレイとなり、アクティブ・アンビエントライティングの照明も手伝って、より心躍る運転ができること請け合いです。

このアクティブ・アンビエントライティングは従来のメルセデス・ベンツでも導入されていましたが、新型EクラスのようにフロントガラスからAピラーを超えてドアにまで至る仕上がりには度肝を抜かれるはず。フロントのガラススクリーンに合わせ、カーブを描くライトの美しさ、高質感はさすがメルセデスだと誰もが感嘆することでしょう。
想像を超えるモビリティエンターテインメントの進化
ライティングシステムは音楽の視覚化も担うとされています。音楽や動画、アプリのサウンドと連携し、ビートやテンポにシンクロした点滅やグラデーションといったアクションを展開。これならデートカーとしても大いに活躍が期待できそうです。
さらに欲張るのなら、AIなんかのサポートでもってシチュエーションごとにアンビエントな演出でもしてくれたら最高です。夕暮れ時にシックなバラードや、深夜ひとりきりで走り続けるシーンなど、音楽とライティングのコラボレーションがあれば、よりドライブが充実し、クルマの運転そのものが色濃いエンタメとなるはずです。

Eクラスだけでなく、車内エンタメの進化はグイグイ進んでいます。たとえば、パナソニックが提供するレコーダーリンク機能は、自宅のHDに録画した動画をアプリでもって車内のモニターに転送、視聴できるというもの。ライブ映像にも対応しているので、スポーツ中継など見逃したくない方にはもってこい。
また、車内をファミリーのサードプレイスとして機能させるなら、ソニーの360 Reality Audioシステムがおすすめ! シートを含めた全方向からサウンドに包み込まれるような立体的な音場は、映画はもちろんゲームアプリなどでも活躍してくれます。加えて、新型Eクラスと同じく、車内幅いっぱいに広がるパノラミックスクリーンと組み合わせたら、ファミリードライブだけでなく日々の移動すらも上質なエンタメ時間に!
そのほか、ヒョンデはICチップ大手のNVIDIAとのコラボによって、車内でクラウドを利用したゲームサービスを提供予定で、NVIDIAによると1000種以上の無料ゲームを用意しているとのこと。ソニー+ホンダのアフィーラにもプレステでおなじみのアンリアルエンジンで駆動するゲームを投入すると発表していますから、モビリティエンタテイメントは我々の想像をはるかに超えていくことでしょう。

運転好きからすると「自動運転なんて、しゃらくせー!」みたいな気持ちになりがちかもしれませんが、エンタメを楽しむ空間&時間と思えば、また新鮮な喜びが得られるのではないでしょうか。