この記事をまとめると
■台湾には北米系のクルマと東南アジア系のクルマが入り混じって走っている■台湾では日本でもお馴染みのモデルに混ざり懐かしいクルマも数多く見ることができる
■トヨタが圧倒的シェアを誇る台湾だが日産やホンダなどの日本車も見かけることができる
台湾では年間約2万台の新車が販売される
台湾島は九州を少し小さくしたくらいの大きさとのこと。人口は約2300万人となり、2023年11月単月の新車販売台数は約2万台であった。2万台といえば、日本ではホンダN-BOXの単月での販売台数ほどとなる。
台湾には、北米系などほかの東南アジア市場では見かけないモデルが一部ラインアップされている。たとえばトヨタでは、クラウン(クロスオーバー)、カローラスポーツ、シエナ(北米や中国など海外専売ミニバン)、そしていまだにウェブサイトを見ると、世界的には先代となっているC-HRもラインアップされていた。
日産ではセントラ(かつてのサニーの北米名)やアルティマ(カムリクラスのセダン)といった北米ではおなじみのモデルがラインアップされている。

三菱自動車では、コルトプラスという懐かしいモデルのほか、グランドランサーのほか、現地で車両生産及び販売を行っている中華汽車のジンガーというMPV(多目的車)やトラックをラインアップしたモデルもある。

また、A190という日本で言えば軽バンや軽トラックもある(正確には三菱車ではないが、三菱自動車としてのウェブサイトで車種紹介されている)。そして、デリカバンやトラック(三菱オリジナルモデルベース)といった商用車のラインアップもなかなかユニークとなっている。

販売トップは国瑞汽車となるが、ここはトヨタ及び日野の車両を生産及び販売しているので、日野も入っているのだが「トヨタブランドが販売トップ」としていいだろう。
旧車に新型車に高級車までバラエティに富む台湾の日本車事情
このような市場環境を持つ台湾最大の都市である台北の目抜き通りで2時間ほど通るクルマをウォッチしてみた。
タクシーがほとんどとなるのだが、いまだにトヨタ・ウィッシュを数多く見かける。「世界でもっともウィッシュを愛する地域」ともいえる台湾は、かつて自家用仕様でもウィッシュを多数見かけることができたが、いまでもタクシー車両としてかなりの数が現役で活躍している。

ウィッシュの現地生産が終わると、タクシー車両は一時的に日本での先代トヨタ・シエンタがタクシーとして大ブレイクしたのだが、筆者の私見としてはスライドドアに対する利用者のウケも良くなかったようで、いまではトヨタ・カローラクロスがタクシー車両の主流になろうとしている。
もちろん、タクシーだけではなく一般ユースでもカローラクロスは人気の高いモデルとなっている。現行型はラインアップされていないが、先代トヨタ・アクアも頻繁に走っていた。

カローラセダンは北米仕様ではなく、カローラアルティスと名乗るの一般仕様らしき車両もよく目にするが、その多くはライドシェアで使われているようであった。前述したように、東南アジアではラインアップされているのが珍しいカローラスポーツは、単にラインアップされているだけではなく、人気も高いようで頻繁に通りを走っていた。

北米では日本車が特に多い南カリフォルニアでも10日ほどの滞在で1度ぐらいしか見かけなかったクラウン(クロスオーバー)だが、台北では2時間ほどのウォッチングで2回見ることができた。1台は一般ユーザー仕様だったが、もう1台はタクシー仕様であった。日本でも東京あたりでは、おもに個人タクシーとしてクラウンクロスオーバーを見かけるようになっている。

レクサスブランドも好まれているようで、台北ではレクサスLM(新型がラインアップされているが街なかはまだまだ先代が多い)を多く見かける。RXも人気モデルのようでよく見かけることができた。LBXもタイなどより早く、すでにラインアップされている。

トヨタが圧倒的販売シェアを持っているので、当然ながら街を走るクルマもトヨタ車が多いのだが、そのなかで、トヨタ車以外の日系モデルではホンダCR-V、同HR-V(ヴェゼル)、スズキ・ジムニー(シエラ)、日産アルティマを見かけることができた。