この記事をまとめると
■車名に使用されている数字やアルファベットには意味が隠されている■基本的に数字は排気量やエンジン出力を表しているものが多い
■数字のみの車種名は数字の大小でボディサイズを表している傾向にある
数字や文字の車名の秘密
クルマの名前は数字やアルファベットだけでなく、具体的なほうが記憶に残りやすいのだとか。たしかに、296とか63とかいわれてもピンとこないことも少なくありません。
例外といえば911とか86くらいのものでしょうか。
数字とアルファベットの意味
数字とアルファベットが組み合わさったものというと、フェラーリとランボルギーニが代表格かと。512BBとかLP400など、子どもながらによく覚えたものです。フェラーリの場合はさまざまな方式があって、それだけで1冊できるほどですが、512は「5リッター・12気筒」、「BB」はいうまでもなく「ベルリネッタ=クーペとボクサー=水平対向エンジン」を表しています。
およそフェラーリは排気量+気筒数にGTとかTdF(Tour de France)といったキャラクターを追加するという理解でいいのですが、例外が星の数ほどあるのが厄介です。
また、ランボルギーニのアルファベットはエンジンの搭載方法、すなわち「Longitudinal Posteriore=後方縦置き=縦置きミッドシップ」といった具合。ミウラP400は横置きだったために、LがなくてPのみという表記。で、数字は馬力を表すというわかりやすさです。

また、LP700-4の末尾にある数字は4輪駆動を表します。なお、ランボルギーニは近年、こうしたネーミングがわかりづらいと気づいたのか、はたまた猛牛関連の名前で十分だと感じたのか、LPもPも使われなくなりました。
数字のみの車種名はスペックにまつわるものが多い
排気量や換算馬力を表すもの
数字だけの車名も近年はわかりづらいものが増えてきました。メルセデスAMGでいえば、63AMGは6.3リッターを意味しているかと思いきや、そうでないモデルもあるのです。たとえばC63は当初こそ6.3リッターエンジンでしたが、のちに4リッターターボに変わっています。

これと似たように難解なだったのがレクサスのLS500h。3500cc+1500cc相当のモーターで、5リッター並のパフォーマンスなんだとか。ちょっとしたトリビアとして、誰かに話したくなりそうです。
トリビアといえば、ケータハムのセブン170Sとか、セブン130/160という車名も相当なマニアでなければ数字の意味を知らないはず。これは、車重を1トンに換算した場合の馬力を表したもので(実際の発生馬力は異なります)、170Sは車重500kgに対して85馬力、160は同じく500kgの車重に対し80馬力といった具合。わかりやすいのか複雑なのか、微妙な設定です。

独自の数字ルールは覚えやすい
プジョーは2004年まで創業当時からずっと3桁の数字を車名に使っており、これはこれでわかりやすいものでした。百の桁の数字が車格を示し、1の桁の数字が世代を表すというもの。数字が大きくなるにしたがって車格が大きくなり、また世代が新しくなると数字も大きくなるというルールです。一般モデルは真んなかのゼロがひとつですが、SUVやMPVについてはふたつにするルール、というか車名が増やされています。

このゼロに意味はないようですが、ポルシェが911を当初は901として登録しようとしたところ、プジョーが鬼の剣幕で妨害したのは有名なエピソード。おそらくは、真ん中のゼロへのこだわりというより、枢軸国に対する嫌がらせのような気もします(笑)。
なお、ポルシェの3桁数字は設計ナンバーの転用というのが定説です。ご承知のとおり、ポルシェは当初、研究開発を請け負うシンクタンクとしてスタートしており、開発対象ごとに設計番号で管理していたのです。で、創業から3番目に設計したのが356、それから工業機械やトラクターを経て、9番目となったのが911シリーズといった具合(諸説あります)。

いわれてみれば納得もできますが、質実剛健過ぎて(笑)色気にはちと欠けるような気もします。