国産乗用車の大排気量モデルはトヨタ車に多い
クルマの車格というのは、ボディの大きさや価格も重要だが、それ以上にエンジンの排気量の影響が大きい。排気量はトルクに直結していて、NAエンジンの場合、およそ1000ccあたり10㎏-mのトルクを発生する。
トルクはいってみれば、エンジンの粘り強さであり、高回転まで回さなくても、大きなトルクでスルスルスルと加速する大排気量のエンジンは、高級車らしさを得るのに欠かせない要素で、大排気量=贅沢という考え方から、税金(自動車税)も高く設定されているというわけだ。
最近は、低燃費、エコ、環境性能がキーワードとなり、車格を問わずダウンサイジング化が進んでいるが、そうしたなかでも大排気量をキープし続けているクルマにスポットを当ててみよう。
1)レクサスLX570
国産車で大排気量といえば、レクサスSUVのフラッグシップ=LX570。ランクルの走破性と力強さにラグジュアリー性をプラスしたプレミアムSUV。
その心臓部は、5622ccのV8DOHCエンジンが鎮座する。車重こそ2680kgとスーパーヘビー級だが、377馬力、54.5kg-mというスペックに8速ATを組み合わせ、走るところを選ばない。「陸の王者」の風格だ。ちなみに燃費は6.5km/Lほど。

2)トヨタ・センチュリー
去年の即位の礼・祝賀御列のパレードで話題となった御料車=センチュリー特別仕様オープンカーのベースとなったのが、日本のショーファー・ドリブンの最高峰、トヨタ・センチュリー。先代の2代目センチュリーは、国産車唯一のV12気筒エンジンを搭載していたが、現行の三代目センチュリーは、4968cc V型8気筒 直噴DOHCの「2UR-FSE」型に、「1KM型」交流同期モーターという組み合わせ。

モーターだけでも300N・m (30.6kgf·m)のトルク、エンジン単体で510N・m (52.0kgf·m)のトルクがある。
輸入車では国産を大きく上回る7000cc超のモデルも存在!
3)レクサスGS Fほか
レクサスIS F 、レクサスRC F、レクサスGS F、レクサスLC500などに積まれている2UR-GSEエンジンも排気量は4968cc。V型8気筒DOHC32バルブ デュアルVVT-iEで、477馬力、54.0kgf・m。

レクサスといえば、ヤマハで作られたLFAのV型10気筒1LR-GUE型も4805ccと大排気量だった。ちなみにその1LRエンジンは、560馬力、48.9kgf・m。

4)日産サファリ/三菱ディグニティ
このように国産乗用車の大排気量車というと、トヨタ車が圧倒的に多い。トヨタ車以外では、日産サファリ(Y61)の直列6気筒DOHC のTB48DEが、4758cc。

三菱ディグニティの4498cc(V8 DOHCのFFの高級車!)が続く。

5)輸入車
国産車では、レクサスLX570の5622ccがMAXだったが、海外にはもっと大きなエンジンがザラにある。例えば、AMG SL63のV8DOHCターボは、圧巻の7290ccで585馬力、トルクはなんと91.8kg-m。
大排気量王国アメリカでは、シボレーコルベットZ06が、6153ccのV8OHC+スーパーチャージャーで、659馬力、89.8kg-m。
ロールスロイスのフラッグシップ、ファントムも、V12DOHCの6749ccを持っていて、2660kgの巨体を、460馬力、73.4kg-mで動かしている。

BMWには、M760LiXドライブ4WDのV12気筒DOHCの6592cc(610馬力、81.6kg-m)があり、スーパーカーでは、ランボルギーニ・アヴェンタドールのV12気筒DOHCが6498cc(700馬力、70.4kg-m)。

ちなみに国内の自動車税では、排気量6000cc超になると、年間の税額は11万1000円!!!
エコカーの時代だからこそ、大排気量車存在感が一層際立つというものだ。