一度は見たことあるカタチには名前が付いている!

クルマにとってデザインは重要な要素で、極端なことを言うと、性能が普通でもデザインが良ければ売れることもある。デザインによって、スポーティにもエレガントにもなるし、高級感も出る。それほど重要なデザインだが、決められたなかで行うため、多くの手法が使えるわけではない。

それゆえ、文法というか定番的なデザイン手法も出てくる。今回はそんなデザイン手法や名称を見てみよう。



1)クリフカット

クリフハンガーという映画があったように、クリフとは絶壁のことで、キャビンの後端が直角、もしくはそれ以上にスパッと切り落とされたようなデザインを言う。斬新な感じで、大胆さが演出できる手法だ。欧米でよく使われ、日本では初代マツダ・キャロルやトヨタWiLL Viが代表モデルとなる。



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2)クリスプカット

初代シルビアに採用された、多面を取り入れたデザインがクリスプカット。クリスプの意味としては、爽やかなどとなる。クッキーでもクリスプというが、この場合はサクサクしたという意味だ。

見た目だけでなく、パネルの継ぎ目などにもこだわっているのが注目で、それゆえ高価すぎて554台しか売れなかった。



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3)コーダトロンガ

こちらは世界的に使われる手法で、リヤがすっぱりと切り落とされたようになっているデザインを言う。初代、2代目のCR-Xがいい例だ。効果としては背負ったようなスタイルになるので、大胆な印象をアピールできる。スポーツカー、スペシャリティカーにマッチしやすいが、角ばったスタイルがあまり好まれない昨今では見かけなくなっている。



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4)ファストバック

トヨタはセリカで、リフトバックと読んでいたが、リヤが緩やかな斜めになっているデザインで、ルーフ交換から大きく開くハッチが特徴だ。伸びやかな印象で存在感をアピールできる。



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最新のスープラも伝統あるデザイン手法を採用

5)シックスライト

ライトが6つあるわけではなく、サイドの窓が6つ、片側3つあるデザインを言う。前席、後席、そして後席後端の三角窓だ。セダンでの定番スタイルとされる。また前席にも三角窓があるとフォアライトと呼ぶ。



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6)コークボトル

サイドのラインが絶妙にうねっていて、コーラの瓶のようになっているデザインを言う。スズキの2代目フロンテに採用されて話題になった。またマツダのロードスターなども該当する。



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7)スティングレイルック

スティングレイとは海にいるエイのことで、縦方向は狭く、横長の睨みが効いたフロントまわりのデザインを言う。アメ車が好んだスタイルだが、日本車では3代目スズキ・フロンテが採用をアピールしていた。



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8)ダブルバブル

新型スープラで採用されて話題になった、定番的な手法だ。ルーフが平坦ではなく、両側、つまり運転席と助手席の上が膨らんでいるデザインを言う。もともとは小さなスポーツカーやヘルメットをかぶっても当たらないようにヘッドクリアランスを稼ぐのに使用された。一部だけ盛り上がっているのは、前面投影面積を減らす効果もある。ただ、最近は滑らかさを演出する手法として使われることが多い。スープラのほかには、プジョーのRCZやFD型のマツダRX-7、さらにはトヨタ2000GTなどで、往年のアバルトには車名にダブルバブルが付いているモデルもある。



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9)ダックテール

その名の通り、アヒルのお尻のようにテールが跳ね上がっているデザインを言う。エアロを付けてそうしているのではなく、パネル一体でキュッと跳ね上がっている状態であるのがポイントだ。

採用しているのは新型スープラやロードスターなどけっこうあるが、日本車で一番印象的なのはギャランGTOだろう。



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10)ウエッジシェイプ

1990年代に流行ったスタイルで、横から見ると楔のように前から後ろにかけて厚みが増していくデザインを指す。ハイデッキとも呼ばれ、アルファロメオ155など欧州車がとくに流行し、日本でも話題になった。



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