軽とは思えない機能性の高さや車格を超えた質感のモデルも!

今、軽自動車の売れ筋はスーパーハイト系だ。事実、2021年1月の新車販売台数のトップ4に、2位ホンダN-BOX、3位スズキ・スペーシア、4位ダイハツ・タントがランクイン(1位はトヨタ・ヤリス)。つまり、売れているクルマの上位にスーパーハイト系軽自動車が食い込んでいることになる。



が、スーパーハイト系軽自動車が脚光を浴びる前の人気軽自動車と言えば、スズキ・ワゴンRが先鞭をつけたハイトワゴン系軽自動車だった。今でこそ、スーパーハイト系軽自動車に押されてはいるものの、スーパーハイト系軽自動車に勝る魅力もあるのだ。ここでは、そんなハイト系ワゴンの注目すべきクルマたちを紹介したい。



1)日産デイズ

まず、筆頭は日産デイズだ。現行デイズは日産が初めて軽自動車専用のプラットフォーム、エンジン、CVT、電子アーキテクチャーなどのすべてを新規開発しただけでなく、日産自慢の同一車線内半自動運転技術のプロパイロット&緊急通報オペレーターサービス=SOSコール(ドコモの通信機器から緊急通報専門会社のオペレーターに接続)などを採用した、軽自動車史に残る、2019-2020年日本カー・オブ・ザ・イヤー スモールモビリティ部門賞を、兄弟車の三菱eKクロス/eKワゴンとともに受賞した栄誉ある1台。



人気のスーパーハイトワゴンよりスタイリッシュで走りも安定! ...の画像はこちら >>



実際、エクステリア、インテリアデザインの上級車に迫る上質感、使い勝手の良さ、走りの上級感、電子パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能などの充実した機能装備、そしてすでに説明した軽自動車初搭載のプロパイロットによる先進運転支援、SOSコールや日産コネクトナビによるオペレーターサービスなど、軽自動車の常識を超えた商品力が自慢だ(のちに発売された日産ルークスも同様)。



人気のスーパーハイトワゴンよりスタイリッシュで走りも安定! 再注目したいハイトワゴン軽自動車4台を徹底比較



2)スズキ・ワゴンR

ハイト系軽自動車のパイオニアと言えるスズキ・ワゴンRも素晴らしいハイト系軽自動車だ。電子パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能こそ装備されていないが、アメリカンなスティングレーのエクステリアデザインのカッコ良さ、インテリアのハイセンスなデザイン、質感の高さはほとんど高級車並みで、スパッとした横基調のインパネが左右の広がり感を強く演出。車格を大きく超えた運転感覚、居住感覚をもたらしている。



人気のスーパーハイトワゴンよりスタイリッシュで走りも安定! 再注目したいハイトワゴン軽自動車4台を徹底比較



また、スムースなターボエンジンは、高回転まで回しても雑味がなく、高速道路でも安心感ある気持ちいい走りを提供してくれるのだ。



高速走行の機会が多いならハイト軽を選ぶメリットは大きい

3)ホンダN-WGN

ホンダの2代目N-WGNもいいクルマだ。「ニューシンプル」をテーマにした標準車の顔つきはほのぼのとしていて、親しみやすさ抜群。随所に丸をモチーフにしたデザインがちりばめられているのもエクステリアデザインの大きな個性となる。そしてホンダの軽自動車としては初めて電子パーキングブレーキを採用し、ACCもついに渋滞追従機能を手に入れ、先進運転支援機能を飛躍的に向上させている。ホンダ・センシングの機能全体がアップグレードされているのはもちろんである。



人気のスーパーハイトワゴンよりスタイリッシュで走りも安定! 再注目したいハイトワゴン軽自動車4台を徹底比較



走行面でもステップダウンシフト制御、カーブでの横Gを検知し、ギヤをキープするエンジンブレーキアシスト機能なども盛り込まれ、さらなる安心・安全なドライブが約束されるのだ。



使い勝手面も文句なしだ。ハイトワゴンとして、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによる室内の広さ、シートアレンジ性の良さも見逃せないポイントで、上下2段で使えるラゲッジルームのフロアを先代比で180mm! も低くすることで、重い荷物の出し入れが一段と楽になり、同時に容量も24リットル増大。後席は先代同様、センタータンクレイアウトによってごく低く倒すことができ、広大な拡大ラゲッジフロアが出現。後席下の傘などが入るトレーも継承され、日常から荷物満載のドライブまで、使い勝手は抜群といえる。



人気のスーパーハイトワゴンよりスタイリッシュで走りも安定! 再注目したいハイトワゴン軽自動車4台を徹底比較



4)ダイハツ・ムーヴ

そんな魅力的かつ、ダウンサイザーにも薦められる3台と比較すれば、デビューが2014年12月とかなり前のダイハツ・ムーブは、パッケージこそ不満はないものの、シートの快適性、走行性能や足踏み式ブレーキのままゆえにオートブレーキホールド機能が付かないなど、新しいデイズやeKクロス/eKワゴン、N-WGNと比較してしまうと見劣りするのも事実。間もなく登場するはずの、DNGA(ダイハツニューグローバルアーキテクチャー)採用の新型を待ちたいところ。



人気のスーパーハイトワゴンよりスタイリッシュで走りも安定! 再注目したいハイトワゴン軽自動車4台を徹底比較



こうして見ていくと、渋滞時や信号待ちなどでブレーキを踏みつつける必要がないデイズ、eKクロス/eKワゴン、N-WGNの先進性、使いやすさが際立ってくる。デイズに至っては、高級車さながらの安心装備、SOSコールまで付いているのだから、完璧だ。



それはそうと、超人気のスーパーハイト系軽自動車に対するハイト系ワゴンのメリットとして挙げられるのが、横風安定性だ。スーパーハイト系はさすがに背が高く、車幅もないため、ボディの縦横比によって強い横風には弱い。しかしハイト系ワゴンなら、背の低い乗用車ほどではないにしても、横風の影響は(スーパーハイト系と比較すれば)少なくて済む。

高速走行の機会が多いなら、ハイト系ワゴンを選ぶメリットがあると言えそうだ。総合的な商品力ではデイズ、走りにもこだわりたいならN-WGNというのが、個人的なセレクトとなる。どちらもツートーンカラーで乗れば、スタイリッシュさ、軽自動車らしからぬ上級感さえ手に入るのだ。

編集部おすすめ