夏は30度を超える南部地方がマイナス30度になる異常事態
ニュースなどで大きな話題になっているのが、自動車メーカーでの生産ラインの停止だろう。ほぼすべてのメーカーが半導体不足などで、操業を断続的ではあるが停止しており、生産に遅延が出ている。
新型コロナの影響かと思いきや、一番の要因とされるのがアメリカを襲った寒波だ。
いずれにしても大寒波がやってくるような地域でないのだが、2月16日に発生した問題の寒波は北極から流れてきたもので、平均気温よりも30度も低くなったり、一番低いところで、なんと最低気温マイナス30度を記録していて、かなりの異常事態といっていい。それで気象衛星が誤作動して、アメリカ南部全体が曇りと判断してしまったほど。
ここまでが気象的な経緯で、産業への影響としては、大規模停電と計画停電となって工場が止まってしまった。エリア内に半導体の工場が多くあったことから、産業の米とも呼ばれる半導体の生産が止まって、今や大量に使っているクルマへと影響が及んだというわけだ。
寒波による産油停止と中国の買い占めで回復には時間がかかる
というのはニュースでも解説されているので知っている方も多いと思うが、じつはこれだけじゃなかった。まずオイル。アメリカは世界最大の産油国で、テキサスあたりは油田も多く、採れるのは良質なものとされている。こちらも産油が停止してしまった。加えて、世界的にも産業用の需要増大や生産工場がメンテ、輸送コストの増大などいくつもの要因が重なって、オイル業界は材料確保に大慌て。
さらに意外なのが樹脂でポリアミドと呼ばれる樹脂が不足だ。こちらも世界的に大きな工場がテキサスにあったため、生産が滞ってしまっている。ポリアミドは耐熱性が高くて、今や主流の樹脂製インテークなどのエンジン周辺の樹脂パーツには欠かせない素材なので、これが不足するというのは深刻だ。そのほか、テキサスにはデュポンの工場もあって、こちらはナイロンを生産していたことから、こちらも供給不足だ。
自動車メーカーはパーツや素材の供給が途切れないように、サプライチェーンを強化していて、東日本大震災などに教訓を得たトヨタは被害最小限にはなっているが、それでもまったくなしではない。原因としてはサプライチェーンとはいえ世界的な広大な規模になっているし、全世界的なコロナの影響は想定外だっただけに、結局、どのメーカーも多かれ少なかれ影響を受けてしまった。オイルのところで紹介したように、寒波が収まっても世界的な需要には応えるのには時間がかかるし、急激に産業が回復している中国が買い占めに走り出しているなど、回復にはまだ時間がかかりそうだ。

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