予備検査を受けてからユーザー車検を行う方が良い

自動車ユーザーにとって、2年に1度(新車時は3年)の車検は大きな負担。



ディーラーや整備工場に車検を頼むと、普通車で10万円前後の費用がかかる。このため「日本の車検は高い」というイメージが定着しているが、じつは車検の本命、検査費用だけでいえば、普通車でも1800円しかかからない(国土交通省の陸運支局の検査手数料)。



その他、自賠責保検料=2万1550円(普通車)と、重量=2万4600円(中型車)が法定費用として必要で、あとは整備点検費用、交換した部品代、車検代行費用がプラスされる。



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ユーザー車検の場合、上記の法定費用(約5万円)だけで車検を通すことができるのと、クルマを工場に預ける必要がないというのが一番のメリット。



陸運支局の検査ラインは、平日しか動いていないので、あらかじめ予約を入れたうえで、平日に半日ほど時間を作る必要があるが、それさえクリアできれば、お財布には非常に優しい。



検査自体は、未経験者であることを申告すれば親切にサポートしてもらえるので難しくはないが、検査前に整備をせずに「後整備」で臨むと、3割ぐらいの車両が不合格になるので要注意。



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多くは、ライトの光軸不良など軽微な問題なので、陸運支局の近所にある「予備険屋」(テスター屋)で予備検査を受けてから、本検査を受けることをおすすめする(予備険の費用は、1500~3000円ぐらい)。



ユーザー車検は日常の点検整備を怠らない人向けだ

それからもうひとつ気をつけて欲しいのは、ユーザー車検で合格したとしても、それは検査当日の状態が、保安基準に適合しているというだけで、その日から半年後、1年後、2年後のコンディションを補償するものではないという点。



たとえば、タイヤの空気圧は半年に一度もチェックしていない。タイヤの溝も見たことがない。オイル交換もいつやったか? なんていう人は、ユーザー車検には向いていないので、きちんと整備工場に依頼したほうがいい。



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最低限、日常のメンテナンスを自分でやっているという人でも、ラジエターのクーラントやブレーキフルードなどは、2年ごと、つまり車検のタイミングで交換するのが基本で、ブレーキパッドの残量や、Vベルトの張り・ひび割れなどもチェックしておきたいところ。



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エアフィルターやエアコンのフィルターも車検のタイミングで汚れ具合を確認。



ドライブシャフトのブーツやステアリングラックブーツなどのゴム類も定期的な点検が必要な箇所なので、オイル交換でリフトアップしてもらったときに、一通りチェックしてもらうようオーダーしたい。



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タイヤも5000kmごとにローテーションしておくと経済的でおすすめ。



ワイパーのゴムの交換や、ウォッシャー液の補充、バッテリーの点検なども、普段からまめにやっておくのを忘れずに。



ユーザー車検は決して難しくはなく、費用的にも魅力的だが、乗りっぱなしでいいというわけではないので、より日常の点検、整備に心を配るというのが大前提だ。

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