この記事をまとめると
■新型アクアにバイポーラ型ニッケル水素バッテリーを搭載■電極基盤の表裏をそれぞれ±電極とすることで小型化・高出力化
■モーター走行領域が増えたためワンペダルでの運転操作を実現
新型アクアに採用されたトヨタの最新バッテリー技術
新型アクアが、もっとも廉価なBグレード以外に初搭載したのが、バイポーラ型のニッケル水素バッテリーだ。バイポーラとは、双極性の意味で、今回のバッテリーでは1枚の電極基盤の表と裏にプラス電極とマイナス電極を持つ機構をいう。
バッテリーの種類を問わず、バッテリーの電極はプラス極とマイナス極それぞれが別々の基盤で構成され、それを一組として、1セルとしてきた。

トヨタのHVに車載されるニッケル水素バッテリーも基本構成は同じで、プラス極とマイナス極の基盤を1組として、それを何組も組み合わせることで高電圧を生み出してきた。ただ、プラスとマイナスの電極ごとに基盤を持つと、そレだけ厚みが増す。
バイポーラ型バッテリーのメリットは小型・高出力
今回のバイポーラ型は、ひとつの基盤の表と裏にプラスとマイナスの電極を持つので、基盤が半分に減ることで全体の厚みを薄くできる。小型化が可能になる利点がある。

加えて、プラス極とマイナス極がひとつの基盤を通して面で接することになるため、大きな電流を流しやすいともされる。

以上のふたつの特徴を活かすと、小型化できることと合わせ、従来と同じ大きさのバッテリーパックの寸法とするならより大容量にでき、大電流を流せる。つまり、力強い加速をさせることができる。逆に、回生による充電も効率が上がるだろう。

新型アクアでは、ふたつの特性を活かすことにより、これまでのニッケル水素バッテリーに比べ約2倍の高出力化を実現しているとのことだ。それによって、モーター走行領域が増えるとともに、ワンペダルでの運転操作をトヨタ車として初めて設定することができたのだ。