この記事をまとめると
■3ナンバーは今では当たり前のサイズだが、まだまだ5ナンバーの需要は高い



■5ナンバーでも車内空間が広いクルマはまだまだある



■5ナンバーでも運転が楽しいスポーツカーを選ぶことが可能だ



5ナンバーサイズでひろ~いクルマを探せ!

ここ最近、クルマの車幅がワイドになっている。側面衝突対応や、より自由度の高いデザイン性の確保がその理由の代表例で、あのトヨタ・カローラでさえ、欧州でゴルフなどCセグメントのライバルと戦うハッチバックモデルのSPORTになれば全幅1790mmの3ナンバーとなっている時代だ。



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5ナンバーサイズが基本のコンパクトカー、ホンダ・フィットも、基準車は全幅1695mmの5ナンバーだが、今風のクロスオーバーモデルとなるクロスターは全幅1725mmの3ナンバーになっていたりする。



今や3ナンバーだからといって特別なことはない時代であり、室内幅のゆとりを含め、メリットは少なくなく、もはやガラパゴス的な全幅1695mmの5ナンバーにこだわる必要性は薄れている。とはいえ、自宅の駐車スペースや、よく使う道の道幅事情によっては、5ナンバーの幅が狭いクルマが譲れない人もいるはずである。もちろん、5ナンバーの車幅のほうが日本においては駐車のしやすさ、ドアの開けやすさなど、使い勝手で上まわるケースも大いにある。



「小さかろう」「よかろう」って最高じゃないか! 3ナンバーに負けない「走り」「使い勝手」の5ナンバー車5選



そこで、5ナンバーでも室内空間に意外なほどのゆとりがあったり、ラゲッジスペースが大容量で使いやすかったり、乗り心地や静かさなどで高い評価が与えられるクルマを紹介することにしたい。なかにはライトウェイトオープンスポーツカーまであtたりするのである。



1)スズキ・ソリオ

まずはスズキ・ソリオだ。いわゆるプチバン、ハイトワゴン系の5ナンバーモデルで、車幅は一般的な5ナンバー車が規格ギリギリの1695mmとしているのに対して、スズキの流儀!? でナローな1645mmとなっているのが注目点。自宅の駐車スペースが極端に狭い人や、幅広のクルマの運転に抵抗がある人にもぴったりだ。



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では、5ナンバー車でもとくに車幅が狭いクルマだから、室内空間も狭いのだろうか? いやいや、そんなことはまったくない。じつは、室内長、室内高ともにたっぷりあり、身長172cmの筆者基準で、前席頭上に310mm、後席は頭上に215mm、膝まわりになんと最大360mm(後席スライド位置最後端)ものスペースがあるのだから、むしろ広すぎる!! と表現したくなるほどだ。



そう、5ナンバーのクルマのなかで、後席に最大級の広さがあるクルマの1台と言っていいのがソリオである(同種のトヨタ・ルーミー、ダイハツ・トールもそれに準じる)。1.2リッターエンジン+モーターのマイルドハイブリッドモデルなら、動力性能は十二分で、静かで乗り心地も素晴らしい。



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高めの着座位置によって、ひとまわり大きいクルマに乗っている感覚が得られるのも魅力である。

しかも、ラゲッジルームには定員5人分の機内持ち込みサイズのキャリーケース5個が余裕で入るのだから、じつに使い勝手がいいのである。



2)ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズ

流行りのクロスオーバーモデルにも、5ナンバーで使い勝手抜群のクルマがある。それはe-SMART HYBRIDと呼ぶシリーズ式ハイブリッドモデルを追加したばかりのダイハツ・ロッキー、トヨタ・ライズだ。もちろん全幅1695mmの5ナンバーサイズで、ハイブリッドモデルのパワーユニットは発電用の1.2リッターエンジンと強力なモーターを組み合わせる。



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※写真はガソリンモデル



室内空間、居住性はそれなりだが、驚くべきはラゲッジルームの使い勝手。開口部に段差のないラゲッジフロアは奥行き755mm、幅1000mm、高さ865mm!! もあり、容量は369リットル。しかも、床下に80リットルものサブトランクを備え、合計449リットルもの大容量ラゲッジスペースが使えるのだから、アウトドアやキャンプの大荷物の積載性もばっちりだ。



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※写真はガソリンモデル



ハイブリッドのクロスオーバーモデルで200万円ちょっとからの価格というのも美味しすぎるではないか!!



走りを求める人も納得なラインアップがあった

3)トヨタ・アクア

とはいえ、スズキ・ソリオ、ダイハツ・ロッキー、トヨタ・ライズともに全高が高く、立体駐車場の入庫はできないことが多い(多くは1550mm制限)。そこで、全高1550mm以下の5ナンバー車で魅力的なモデルを探してみると、最新のトヨタ・アクアが当てはまる(全高1485mm)。



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先代の後席の狭さや乗り心地の硬さは見事に解消されている。2モーターのストロングハイブリッドだから燃費性能に優れるだけでなく、太っ腹に、全グレードにAC100V/1500Wコンセントを標準装備。アウトドアではもちろん(アクアにアウトドアが似合うかどうかは別にして)、災害時の電源供給車としても大活躍してくれる、”安心”も標準装備の1台なのである。



4)日産 ノートe-POWER

e-POWER専用車となった日産ノートも、5ナンバーサイズの電動車だ。ここで言う電動車とは、ノートの場合、1.2リッターエンジンを発電のみに使い、駆動は100%モーター。極めて電気自動車に近い走りが味わえるコンパクトカーである。



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さらに、日産自慢の最新のプロパイロット1.5(スカイラインの2.0のような3Dマップは使っていないが、GPS、地図データとカメラ&レーダーによって高速道路上でのカーブ手前減速制御といった標識の読み取りによる速度制御を”廉価に”可能にしているのだから画期的)やワンペダル機能、SOSコール、スマホ連動の日産コネクトによるオペレーターサービスなど、先進で安心できる装備も満載だ(セットオプション含む)。



さらに世界初と言われる発電制御もすごい。1.2リッターのエンジンが発電に使われることはすでに説明したが、路面状態や走行速度によって、タイヤが発するロードノイズが大きいとエンジンの発電を積極的に行い、バッテリーを充電。この場面では、発電するエンジン音がロードノイズによって目立たなくなり、実際、走っていて、発電のためにいつエンジンがかかったかなど、まったく気づかせないほど。



「小さかろう」「よかろう」って最高じゃないか! 3ナンバーに負けない「走り」「使い勝手」の5ナンバー車5選



だから終始、車内は静か。そこもまた電動車ならではなのである。後席、ラゲッジスペースにも十分なゆとりがあり、運転初心者からベテランドライバーまでが満足できる、ファミリーカーとして最適な5ナンバーモデルと言えるだろう。



5)トヨタ/ダイハツGRコペン

最後に紹介するのは、今、5ナンバーで乗れる希少なスポーツカーだ。たとえば初代ユーノスロードスターは着るような感覚で乗れたジャストサイズの5ナンバーモデルだったのだが、現在のマツダ・ロードスターは全幅1735mmの3ナンバー。もちろん、トヨタ86やスバルBRZも3ナンバーだ。が、国産5ナンバーのスポーツカーで忘れてはいけない1台が、軽自動車規格の5ナンバーで乗れるダイハツ/トヨタのライトウエイトオープンスポーツであるコペンGR SPORTだ。



「小さかろう」「よかろう」って最高じゃないか! 3ナンバーに負けない「走り」「使い勝手」の5ナンバー車5選



ダイハツ・コペンをベースにしたエンジン排気量660cc+ターボのGRバージョンだが、エクステリア、インテリア、シャシー、ボディにまでGR(ガズーレーシング)の手が入り、レカロシートまで用意される、かなり本格、本気の軽コンプリートスポーツカーなのである。



「小さかろう」「よかろう」って最高じゃないか! 3ナンバーに負けない「走り」「使い勝手」の5ナンバー車5選



フットワーク、スタビリティは本格スポーツカーそのもので、低速から高速域まで、アドレナリンが逆流するようなスポーツ心を満足させる走りを堪能させてくれるのだから嬉しすぎる。5速MTで乗るのが本筋だが、CVTも用意されているから、ユーザーを選ばない点もいい。ルーフクローズ時ならトランクスペースにゴルフバッグが斜めに入るから、使い勝手もそう悪くない。



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200万円台前半で手に入るコペンGR SPORTのガチライバルはホンダS660モデューロXだが、今では新車で買うことは困難だから(原稿執筆時点ですでにオーダーストップ。中古はプレミアム価格!!)、新車に限定するならクラス唯一の選択肢になる。そこもまた、ライトウエイト&マイクロスポーツカーマニアの心をくすぐるに違いない。



というわけで、ガラパゴス的でもある日本の5ナンバー車でも、魅力的なクルマはまだまだ残されているということだ。

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