この記事をまとめると
■駐車していたクルマに「車を買取します」という旨の張り紙が挟まれていることがある■このようなチラシは自動車窃盗団の下見の印の場合もある
■対策方法について詳しく解説する
警察署の住民相談係に相談を!
駐車していたクルマのフロントガラスに「車を買取します」という張り紙が挟まれていることがある。名刺サイズやもう少し大きいチラシの場合もあるが、連絡先が携帯電話だったり、どう見ても大手の業者ではない……。
売る気もない自分の愛車に勝手にチラシを挟まれただけでも不愉快だが、こうしたチラシは自動車窃盗団の下見の印の場合もあるので要注意。
こうしたチラシが貼られたまま、しばらく放置していると、「普段あんまり乗っていない」「クルマを見に来ることも少ない」=盗みやすいクルマとして、窃盗グループにマークされる可能性が大きいからだ。
というわけで、こうしたチラシを見かけた場合、できるだけ速やかに剥がしておくことが肝要。できれば、そのままゴミ箱に捨てないで、最寄りの警察署にある住民相談係に持っていき、相談しておくといい(地域での自動車窃盗事件に関する情報なども教えてもらえる)。スマホで撮影し保存しておくのもいいだろう。

チラシに載っている会社名をネットで検索しても出てこない場合も多いし、古物商許可番号を調べたところ該当がないケースも多いので、間違ってもこちらから業者に連絡したりしないこと。
そしてこれらのチラシが挟まっていた場合、窃盗グループに狙われていると思って、すぐにでも何らかの対策を施してほしい。
ハンドルロックをかけるだけでも効果大
すぐにでもできるのは、クルマを離れる際は「ハンドルロック(ステアリングロック)」をかけること。ハンドルロックは、どのクルマにも標準化されている防犯機能で、エンジンを止めて、キーを抜いた状態で、「カチッ」音がするまでハンドルを動かすだけでロックがかかる。このハンドルロックがかかっていると、窃盗犯がキーシリンダーを壊し、エンジン始動に成功させたとしても、ハンドルがロックされて動かないので、盗難を防ぐことができる。
プロ中のプロには通用しないが、意外に効果は大きく、このハンドルロックのおかげで窃盗未遂で済んだ例は少なくない。
さらに、カー用品店などで売っているバー式ハンドルロックを併用すると、防犯意識が高いことがアピールでき、より高い効果が期待できる。

あとは、新しい年式の自動車を狙うCANインベーダーという手口の対策の1つとして、クルマの左側面を壁際に駐車し、左前のタイヤ付近に人が入り込めないようにするのもひとつの手。
リレーアタック対策には、スマートキーを電波遮断ポーチに入れて保管する。
その他、防犯カメラを設置したり(ダミーでもないよりマシ)、人感センサーライトも欲しいところ。
警察庁によると、自動車盗の認知件数は、平成15年(6万4,223件)がピークで、令和2年は5,210件とピーク時から12分の1以下にまで減少しているとのことだが、手口はますます巧妙化しているらしい。
また、日本損害保険協会の調べでは、車両本体盗難の発生場所の51.3%が「自宅(屋外)」で発生しており、「契約駐車場(屋外)」も含めると、車両本体盗難の74.1%が屋外で発生!

盗難発生時間帯も、2018年11月は「深夜~朝(22~9時)」が75.8%だったのが、2020年2月には70.3%となり、日中(9~17時)が10.1%→14.2%に増えていて、犯行が大胆になってきている傾向が……。
車種別では、相変わらずレクサス、ランドクルーザー、プリウス、アルファード、ヴェルファイアなどのトヨタ車の意外が多く、さらに90年代のスポーツカーの盗難も増えてきている。
これらのクルマに乗る人は、カーセキュリティの専門店で最新のセキュリティーをインストールし、ココセコムやAirTagなどのGPS追跡装置などの利用も考えたい。
そして最後の手段として、車両保険を十分かけておくこと。
いずれにせよ、「たかがチラシ一枚」と油断せずに、窃盗グループに目をつけられたかも、と思って用心に用心を重ねておいたほうが安心だ。