この記事をまとめると
■海外市場と日本市場で同じ車体で違う名前を持つクルマを紹介■まったく違う名前でリリースされている場合が多く、日本では名前が通じないクルマも多い
■海外で使われていた名前が日本でも使用される例も少数だが存在する
日本で馴染みのない名前が海外で同じ車体で使われてる場合がある
あれ、なんだこの名前?
海外で日本車を見て、ネームプレートで見慣れないロゴを見つけることがある。
時計の針を少し戻すと、トヨタ「スープラ」もそうだった。いまではすっかり「スープラ」という名前が日本でも定着したが、1980年代前半に登場したA60は日本で先代「セリカXX(ダブルエックス)」からセリカがとれて、「XX(ダブルエックス)」を名乗った。
当時、筆者は海外からの自動車部品の輸入事業に関わっていたが、アメリカ仕様「スープラ」ロゴが入った海外純正部品がよく売れたことを思い出す。
また、「スープラ」を意識した三菱「GTO」は、海外では「3000GT」というネーミングであった。

最近の日本車でも、日本市場モデル名と海外モデル名が違うケースは少なくない。
例えば、日産「ローグ」と「エクストレイル」。ローグはエクストレイルより2年も早い、2020年に北米導入されており、「日本エクストレイルはいったい、いつになるのか?」と、日産ファンは日本への早期導入を待ち望んできたが、この度やっと日本版エクストレイルの販売に至った。

そのほか日産車では、かつて「ジューク」として日本で販売されていたモデルが、欧州で「キャッシュカイ」という名前だった。キャッシュカイとは、遊牧民を指す。キャッシュカイのコンセプトモデルが、スイス・ジュネーブショーで世界初公開された際、日産幹部らと日本導入について意見交換した。

海外の名称が日本で使われる場合も
また、日本ではコンパクトハイブリッド車の市場を切り開いた、トヨタ「アクア」が、海外では「プリウス c」として2021年まで販売されていた。ホンダでは「フィット」が海外では「ジャズ」を名乗る。

スバルでは「XV」が海外で「クロストレック」となる。ただし、自動車関連メディアの一部報道では、次期「XV」が日本でも「クロストレック」を名乗る可能性が高いと報じている。

そして、クルマ好きにとって気になるのが、マツダ「ロードスター」ではないだろうか。
日本では、いわゆるバブル期の真っ只中だった1989年2月、アメリカのシカゴモーターショーに「MX-5ミアータ」(マツダ100年史・正史編での表記)として登場した。注釈によると、ミアータとは、「古いドイツ語で『贈り物」を意味する」と記載されている。日本では当時、マツダは「マツダ」「マツダオート」「オートラマ」「オートザム」、そして「ユーノス」の5チャンネル体制で様々な派生車が開発されていた。そうした中で「MX-5ミアータ」は日本では「ユーノス ロードスター」と名乗った。

今後、自動車メーカーはEVシフトなど電動化戦略を加速させる中で、グローバルでのモデル展開を大きく見直す可能性が高い。そうなると、日本固有のモデル名が減り、世界共通モデル名が増えていくのだろうか?