この記事をまとめると
■北米国際自動車ショーのトヨタ、スバルのブースについてレポート■両メーカーともアメリカメーカーに対抗したラインアップを展示していた
■ブースの規模はアメリカメーカーと比べて控えめだった
トヨタとスバルのみが海外メーカーとして出展
“国際オートショー”として開催された、北米国際自動車ショー(デトロイトショー)だが、アメリカンブランド以外、つまり外資系で展示ブースを構えたのはトヨタとスバルだけ。とくにプレスカンファレンスを行い、新型車をショーデビューさせたわけではないが、とくにトヨタは例年よりは小さめな展示ブースながら、奮闘していたと筆者は感じた。
トヨタはブースの目立つ場所に、新型クラウンを展示していた。
2.4リッターハイブリッドマックスと2.5リッターハイブリッドの2種類のパワートレーンを用意している。筆者自身は恥ずかしながら、デトロイトショーで初めて新型クラウンと対面することとなったので、はじめは「あのトヨタ車はなんだろう、あっクラウンだ」といった驚きとともに新型クラウンの展示車を発見した。
エクステリアでは、フロントボンネット上のクラウンエンブレムが、いわゆるトヨタマークに変わっていた。メディアや業界関係者の反応は残念ながらいまひとつといったところで、展示車が多くの来場者で囲まれることもあるが、それが持続することはなかった。正面に新型マスタングが展示してあったので仕方がなかったのかもしれない。
やはりピックアップトラックの人気は健在
新型クラウンより話題を集めていたのがフルサイズピックアップとなる新型タンドラ。2022年5月にフルモデルチェンジを行った新型が展示してあった。新型タンドラの最大の特徴は新世代ではV8エンジンの搭載がなくなり、3.5リッターV6となり、しかも3.5リッターV6ベースのハイブリッドユニットが用意されたこと。アメリカンブランドのフルサイズピックアップといえば、GM(ゼネラルモーターズ)や、ステランティスのラムブランドでは大排気量だけでなく、V8OHVエンジンを搭載する、まさに“アメリカの魂”が宿っていると言っていいモデルとなっている。
昔タンドラについて事情通に話を聞くと、「ハードとしてはアメリカンブランド車より優れている面もあるが、“文化”という越えられない壁がある」といった話を聞いたことがある。

ほかにもフルサイズSUVとなる、新型セコイアのプロトタイプモデルが展示されていたり、そして意外というと失礼だがGR86には比較的若い世代の男性が注目していた。ブース全体も「Toyota in America」をテーマにして、トヨタがアメリカ国内で展開している、ケンタッキー、インディアナ、テキサス、ミシシッピ、アラバマの各州で製造されているそれぞれのモデルが、「インディアナ製です」といった形で紹介されており、アメリカ人のハートをつかむような演出が施されていた。
スバルは既販車を中心に多くの展示車をブースに置いていた。デトロイトは冬が厳しい降雪地域なので、スバルは高性能AWDということで注目されているだけに、それだけで十分のようであった。BEV(バッテリー電気自動車)のソルテラが来場者の注目を浴びていた。

とくにトヨタは、よく見ると充実した展示内容なのだが、それを強調していないのは、アメリカンブランドへの配慮だったのかもしれない。