【4月アクティビストサマリー】米エリオットが「日本通運」のNXHD株を5%超新規保有、香港オアシスは東京製鉄の大株主に

イラン情勢の緊迫が解けない中、日経平均株価は4月27日に6万537円と終値で初めて6万円台に乗せた。高市早苗政権が発足した昨年10月に5万円台に乗せてからわずか半年。

市場には過熱する相場への警戒感もぬぐえない。新年度がスタートした4月、アクティビスト(物言う株主)関連銘柄の動きはどうだったのか。

米エリオット、日本通運のNXHD株を新規保有

日本通運を傘下に置くNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)の株式に関し、米投資ファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントが5.04%保有していることが明らかになった。4月28日に関東財務局に大量保有報告書が提出された。

エリオットによる株式保有が判明したこの日のNXHDの株価は一時、値幅制限いっぱいの前日比700円高の4580円に急上昇した。

エリオットは保有目的について投資としたうえで、状況に応じて重要提案行為も行うとしている。ここまでのNXHD株式の取得資金は409億円。

エリオットはアクティビストとして世界的に知られる。昨年6月にトヨタグループが発表した豊田自動織機の買収・非公開化をめぐってはTOB(株式公開買い付け)価格が低すぎるとして反対を表明。豊田織機株式を7%超まで取得し、トヨタグループに揺さぶりをかけたことが記憶に新しい。

豊田織機のTOBは今年3月に成立したが、同社株式の買付価格は当初の1株1万6300円から2度引き上げられて2万600円となった。

さらに4月中、エリオットがダイキン工業、商船三井の株式を保有していることが明らかになっている。

保有割合は大量保有報告書の提出が義務付けられる5%に届いていないが、両社に対して株価が過小評価されているとし、今後公表される中期経営計画で資本効率の改善や株主還元などの具体策を示すよう求めている。

香港オアシスは電炉大手の東京製鉄に触手

香港投資ファンドのオアシス・マネジメントは電炉大手、東京製鉄の株式6.25%を新規保有した。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」。

東京製鉄は1991年、鉄スクラップを原料とする電炉メーカーとして初めて、鉄鉱石からつくる高炉メーカーの独壇場だったホットコイル(熱間圧延鋼板)の生産に乗り出したことで知られる。

オアシスは3月、KADOKAWA、ニデック、コムシスホールディングスの3社で5%を超える株式の新規保有が判明したが、これら銘柄について4月中、買い増しなどに関する変更報告書の提出はなかった。

カシオ、今度はシンガポール3Dと対峙へ

カシオ計算機株式を5.03%新規保有したのは、シンガポール投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズ。保有目的は「純投資および状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」としている。

【4月アクティビストサマリー】米エリオットが「日本通運」のNXHD株を5%超新規保有、香港オアシスは東京製鉄の大株主に
カシオ計算機の本社(東京・初台)

カシオ計算機をめぐっては2月、香港のオアシスが約5.9%保有する株式のほぼすべてを売却。カシオが1月に株主還元の一環として自社株買いを実施したのを受け、オアシスが手じまいした形となっていたが、これも束の間、今回、新たなアクティビストと相まみえることになった。

英国ファンドのゼナーアセットマネジメントは、外航海運の明海グループ、CSP(セントラル警備保障)の株式をそれぞれ5%超保有した。

旧村上系VSフジ・メディア攻防、なお混沌

国内勢の動きはどうか。旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)はサンケイリアルエステート(RE)投資法人の投資口を買い増したとする変更報告書を3度提出し、保有割合を23.81%に高めた。

サンケイREに対しては不動産業のトーセイによるTOBが1月に始まり、買付期間が6度延長され、現在も進行中。

サンケイREはフジ・メディア・ホールディングスの都市開発や観光事業を担うサンケイビルグループがスポンサーになっているが、旧村上系は3月末、サンケイビルの事業をおよそ3500億円で買い取る意向を表明。昨年から続く旧村上系VSフジの攻防戦の行方はなお混沌としている。

一方、旧村上系のエスグラントコーポレーション(東京都渋谷区)によるフジ・メディア株式の保有割合は5.76%から1.14%低下して4.62%となった。

米ファンド、サンケイREにTOB中のトーセイに照準

サンケイREにTOBを実施しているトーセイについては、米投資ファンドのグランサム・マヨ・ヴァン・オッテルローが5.07%の株式を新規保有したことが明らかになった。

起業家・投資家の植島幹九郎氏が率いる投資会社のDOE5パーセント(東京都港区)は、テイカ、保土谷化学工業など5銘柄について、買い増したとする変更報告書を提出した。

【4月アクティビストサマリー】米エリオットが「日本通運」のNXHD株を5%超新規保有、香港オアシスは東京製鉄の大株主に
4月 アクティビストによる主な保有状況

文:M&A Online

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