日経平均株価は一時6万円台に乗せ、やや過熱感があります。長期的な上昇期待は高いものの、短期的には上昇ピッチが速すぎることに懸念があります。

こんな時、改めてJ-REITの価値を見直したいと思います。平均分配金利回りは4.85%と、魅力的な水準です。


J-REITの予想利回り4.85%!不動産価格上昇に乗る「小...の画像はこちら >>

J-REITの投資価値を見直す

 国内の不動産投資信託(J-REIT)は、円建てで平均分配金利回りが4.85%(4月28日時点)と、利回り投資商品として魅力的です。長期(10年)国債の利回り2.46%より、2.39%も高い水準です。


<J-REITの平均分配金利回り、30年・10年国債利回り、東証プライムの平均配当金利回りの推移:2022年3月末~2026年4月28日>
J-REITの予想利回り4.85%!不動産価格上昇に乗る「小口大家さん」作戦(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ただし、注意が必要です。国債は、満期まで持てば確定利回り商品(注:日本国は破綻しない前提)ですが、REITは確定利回り商品ではありません。業績が悪化すれば分配金が引き下げられ、利回りが下がるだけでなく価格も下がるリスクがあります。


 その意味で、J-REITは「株」に近い商品です。リスク管理上、REITは、「株」と「債券」の中間的運用商品として扱うと良いと思います。


REITの平均分配利回りが株の平均配当利回りより高い理由

 J-REITとは、東証に上場している不動産投資信託のことです。証券コードがついていて、普通の国内株式と同じように、売買できます。ただし、基本的な仕組みが異なるため、REITの分配金利回りは、株の配当利回りよりも高いのが普通です。


<株式会社とREIT投資法人の違い>
J-REITの予想利回り4.85%!不動産価格上昇に乗る「小口大家さん」作戦(窪田真之)
出所:楽天証券経済研究所作成

 図を見れば、違いが明らかです。一般の株式会社は、税引前利益から「法人税等」が差し引かれ、さらに「内部留保等」を差し引いた残りが、配当金として株主に支払われます。

一方、REIT投資法人では、得られた利益がほとんどそのまま投資家に支払われます。


 REIT投資法人では、「利益の90%以上を分配する」という条件を満たせば、配当可能額の全額を損金算入できる(実質的に法人税が課されない)という仕組みです。内部留保もなく、利益の大半を分配金として支払う仕組みとなっています。


 一般の上場企業(株式会社)では、内部留保を成長投資に回し、成長を目指すことができます。成長のための資金を確保しながら、余ったお金を株主に配当しています。一方、REIT投資法人は、内部留保がないので、成長投資はしません。分配金を安定的に維持していくことを目標に運営されています。


 つまり、REITには成長期待がない代わりに、分配金利回りは安定的に高くなると期待しやすくなっています。この違いを理解した上で、日本株だけでなく、J-REITにも分散投資していくことが、長期の安定的な資産形成に寄与すると考えています。


不動産にも分散投資

 近年、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)などで不動産価格の上昇率が高くなってきました。


<公示地価:地価変動率(全用途平均):2014年1月1日~2026年1月1日>
J-REITの予想利回り4.85%!不動産価格上昇に乗る「小口大家さん」作戦(窪田真之)
出所:国土交通省より楽天証券経済研究所が作成、1月1日時点の前年比上昇率、例えば2026年の場合、2026年1月1日時点の2025年1月1日と比較した上昇率が示される

 不動産価格は、しばらく上昇基調が続くと思われます。建設資材・人件費の上昇により建設価格が上昇していること、また、都市部で好立地の開発物件の不足の影響もあり、三大都市圏での不動産価格は上昇が続くと予想されます。


 こうした環境変化を受け、個人投資家はポートフォリオに一部不動産を入れても良いと思います。

J-REITを使えば、小口での投資が可能なので、利回り投資として長期投資していって良いと思います。


 ただし、金融資産とは別に、実物不動産を既にお持ちの方は、不動産ばかりたくさん持ち過ぎるのもバランスが良くないので、必ずしもJ-REITに投資する必要はないと思います。今、賃貸住宅にお住まいで、将来的にマンションなどの購入を考えている方は、マンション購入を目指して貯金をする中で、一部をJ-REITに投資していくことを考えて良いと思います。


J-REITには、さまざまな種類がある。代表銘柄を紹介

 J-REITには、さまざまな種類があります。もともとは、オフィスビルや住宅・マンションに投資するファンドがほとんどでしたが、近年は、Eコマースの拡大により、物流施設に投資するファンドが拡大しています。その他、利回りが稼げるさまざまなものに投資されています。純粋な不動産投資と言えないものも増えています。代表的な銘柄は、以下です。


<J-REIT、投資の参考銘柄:2026年4月28日時点>
J-REITの予想利回り4.85%!不動産価格上昇に乗る「小口大家さん」作戦(窪田真之)
出所:分配金利回りは4月28日時点の1口当たり分配金(会社予想)を同日のREIT価格で割り、年率換算して計算

 表に挙げたように、REITには、いろいろな種類があります。オフィス、レジデンシャル(住居)、物流、リテール(商業施設)、インフラ、ホテルなどに投資するものがあります。


 J-REITに投資したいと思うものの、どの銘柄を選んでよいか分からない方は、最初は投資信託で「東証REIT指数インデックスファンド」に投資したら良いと思います。

小口資金で、さまざまなREITに分散投資することができます。東証REIT市場全体の平均値に投資できます。


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(窪田 真之)

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