日経平均20万円は「夢物語」ではありません。デフレ脱却、名目GDP成長、AI革命、高市政権による未来投資、海外からの資金流入がシンクロ。
イラン情勢緊張のただ中でも日経平均が6万円に到達した理由は?
イラン情勢の緊張と原油高にもかかわらず、日経平均株価は4月に急反発し、最高値を更新し6万円に到達しました。注目したい事象が、「円建てナスダック100指数」との高い連動性です(図表1)。
図表1:日経平均が「日本版ナスダック」とも呼べる理由を知る
日経平均との相関係数は+0.72と高く、昨年11月以降の中間反落を経たナスダック総合指数相場が4月に急回復したことで、AI・半導体関連を中心に値がさテック株に買いが集まり、寄与度の高い日経平均を押し上げました。庶民生活に改善の実感が乏しい中でも、ナスダックの堅調(リスクオン)に反応しやすい日経平均の特徴と傾向を示します。
底流にあるのは、旺盛なデータセンター需要、AIエージェントやフィジカルAIなどの進化・普及を期待するナスダックの強気相場です。
象徴的なエヌビディア株(ナスダック100の組み入れウエートは約9%)は最高値を更新し、時価総額は一時5.2兆ドル(約811兆円)と世界ダントツに。日本株動向を見る上では、米国AI相場と海外投資家のリスク選好度改善に応じた日本株買いに注意する必要があります。
高値更新後の利益確定売りに伴う相場反落は想定の範囲です。加えて、2月総選挙で大勝した高市政権は、「責任ある積極財政」「成長重視戦略」「安全保障体制強化」を掲げ、「日本を強く豊かな国にする」との政策に多くの民意を得ました。
図表1が示すように、日経平均の100日移動平均線(DMA)に、「AI相場×高市相場」への期待を映すトレンドがうかがえます。
デフレ脱却(物価上昇の定着)で名目GDPは拡大基調
1995年初(大発会)の日経平均終値は1万9,684円でした。一方、2026年4月27日の終値は6万537円となり、約31年で3倍超に上昇しました。この間、日本経済は「失われた30年」と呼ばれる低成長・低インフレ・低期待の時代を経験しました。
デフレ下では企業の価格転嫁が難しく、総じて売上高や利益額を伸ばしにくい環境でした。しかし近年(2022年ごろから)は、「デフレ脱却」(物価上昇の定着)を実感し始めるようになりました。従って、名目国内総生産(GDP)に成長の「ギア」が入りつつあります(図表2)。
図表2:日本の名目GDPは再成長に向けて「ギア」が入り始めた
インフレ(物価高)は一般生活者に負担感を強いる一方、企業にとっては価格転嫁を通じて名目売上高と名目利益額を増加させやすい経済環境となります。人手不足を背景に、官民が賃上げを重視する姿勢を強めている点は、個人消費と名目成長を下支えしています。
図表2が示すように、日本の名目GDPは長期停滞を抜け出し、2025年10-12月期では年率換算671.6兆円にペースアップしています。政府は2025年6月に閣議決定された「2040年ごろに名目GDP1,000兆円程度」(骨太方針2025)を目標に掲げ、高市政権は高度な供給力拡大を目的とした名目成長を経済・財政政策運営の中核に据えています。
デフレ脱却、賃上げ、官民投資の拡大が重なれば、日本経済と日本株は「低期待の時代」から「名目成長が評価される時代」へシフトしていく可能性が高まっています。
名目成長の持続は、企業の売上高・利益額を押し上げ、時価総額拡大の土台となります。図表3が示すように、1995年初を100とした名目GDP総額は2025年10-12月時点で128である一方、財務省・法人企業統計の経常利益総額(金融を除く)は489に拡大しており、日本企業の収益力が名目GDPを大きく上回るペースで成長してきたことに注目です。
さらに、上場企業では資本効率を重視する経営が定着しつつあり、内部留保の積極活用(成長のための設備投資、企業買収、自社株買い、増配を通じた株主還元)も強化されています。収益成長と自己資本利益率(ROE)改善が同時に進めば、日本株の評価余地は一段と広がります。
高市政権与党が「成長重視」の経済政策にかじを切った中、名目成長、企業収益の拡大、資本効率の改善、DX・AI導入による生産性改善、海外投資家の評価(海外からのマネー流入)が重なりあうことで、日本株は幾度かの短期需給調整(株価反落場面)を乗り越えながら、「構造的で中長期の株高トレンド」へ移行しつつあると考えています。
図表3:企業利益(経常利益総額)も成長トレンドに転換しつつある
「責任ある積極財政」を訴えた高市政権が総選挙で大勝した意味
日本の政治経済は大きな転換点に立っています。2月8日の総選挙で歴史的大勝を収めた高市政権は、「責任ある積極財政」と「戦略的な成長投資」を掲げ、日本経済の成長エンジンを再始動させようとしています。
英国誌「The Economist」が高市早苗首相を「世界で最も力強い女性」(The world’s most powerful woman/2月12日号)と評したように、内外の視線は「日本経済の再生」に注がれています。
高市政権としては重点投資分野として、AI・半導体、データセンター、次世代エネルギー・GX、防衛、サイバー安全保障、量子、宇宙、重要鉱物、国土強靭(きょうじん)化、造船・海洋など17分野を取り上げました。
これらに官民投資を呼び込み、国内のサプライチェーン(ものづくり)再構築、産業競争力底上げ、安全保障強化を同時に進める「未来投資型国家戦略」です。
トランプ大統領が主催した日米首脳夕食会(2026年3月19日)のスピーチで、高市首相は「Japan is Back!」、「日本は再び世界の経済とイノベーションをリードします」と宣言しました。
年明けの米国のベネズエラ攻撃、イラン攻撃、今後予想されるキューバの反米社会主義排除の試みを客観視すればトランプ政権が進める「対中冷戦」(チャイナ・デカップリング)は鮮明です。アジア最大の同盟国である日本への期待が相対的に高まっています。
図表4:業績見通し(予想EPS)の反転拡大も日経平均の上昇を後押し
なお、物価の持続的上昇と円安効果は、企業業績の上振れ期待を通じて日本株の追い風となっています。図表4は、日経平均及び日経平均ベースの予想1株当たり利益(EPS)の推移を示したものです。2月末に始まったイラン戦争とホルムズ海峡の緊張、燃料価格上昇への懸念は、一時的にせよ業績見通しの下押し圧力となりました。
しかし、高市政権のもとで石油調達先の分散(中東依存から米国やメキシコなど北中南米からの調達)や輸送体制の強化が進みつつあるとの見方を受け、過度な不安は徐々に後退しています。
その結果、いったん鈍化した業績見通しが復調に転じ、日経平均ベースの予想EPSは4月に復調して最高益更新を視野に入れています。株価の堅調が足下の需給改善だけではなく、業績見通し(予想EPS)の改善を期待する動きであることが分かります。
名目GDPの成長期待×ROE改革×海外資金流入、株高を支えるエンジンは?
日本株が長期上昇トレンドに入ったと考える根拠は、
【1】名目GDPの長期拡大軌道入り
【2】上場企業のROE(資本効率)改善
【3】危機管理を重視した国内供給力(サプライチェーン)強化
【4】AI革命の進化・普及を背景とするナスダック相場堅調
【5】海外資金の継続的な日本株流入(マネーフロー)
という五本柱に整理できます。
特に重要なのは、名目成長と資本効率改善の組み合わせです。デフレ脱却により企業収益の拡大余地が広がる一方、企業は内部留保を取り崩した自社株買い、将来に向けた設備投資、増配や自社株買いを通じた株主還元を強化しています。
さらに、高市政権の成長重視路線は、海外投資家にとって日本の政治経済を巡る「予見性」(Visibility)を高め、グローバルアセットアロケーションにおける日本株への配分を見直す契機となっています。
「日経平均20万円」への道筋~資産形成の機会と心がまえ
ヘッジファンドなどグローバル機関投資家が注視するのは、投資対象国の短期的な景気循環だけではありません。より重視されるのは、政治・経済・経済構造が大きく転換する「変曲点(転換点)」(Inflection Point)とされます。
高市政権は、約30年続いた緊縮的な財政運営から脱却し、賃金上昇と物価上昇が同時に進む新たな名目成長レジームを実行しようとしています。図表5は、「日経平均が10年後に20万円を目指すイメージ」を示したものです。
もちろん、株式相場は一直線に上昇しません。短期的な需給波乱やジグザグ調整を繰り返しながら、アベノミクス相場以降の2012年から2025年までを振り返ると、日経平均の暦年平均騰落率は+14.8%でした。
仮に2026年末の日経平均の水準を6万4,000円程度と予想し、2027年から2036年までの10年を暦年平均+12%と想定すると、複利効果(雪だるま効果)によって2036年末には20万円程度に到達するシナリオも想定されます。
長期投資で重要なのは、目先の値動きに振り回されることではなく、構造変化がもたらす成長軌道を捉えることです。名目成長、積極財政、企業経営改革、海外資金流入、AI革命が重なるなら、日経平均の「6万円」も「7万円」もゴールではなく、「長期上昇トレンドにおける通過点」として位置づけるべきでしょう。
図表5:日経平均が今後10年で20万円を目指すイメージ(試算)と主な条件
図表5は、日本株が米国株と同様に「成長性証券(Growth Securities)」としての地位を取り戻し始めた、との仮説に基づく今後約10年の日経平均のイメージです。当面の焦点は、6月に高市内閣が閣議決定し公表する「骨太方針」です。
責任ある積極財政に加え、AI・半導体(フィジカルAI)、防衛、次世代エネルギー、先端技術、サプライチェーン強靭化などに取り組む具体的な「工程表」が明らかになれば、民間企業は中期経営計画の策定などで設備投資・研究開発の増勢に取り組みやすくなります。
日本は単なる製造拠点ではなく、危機管理・安全保障・経済成長を一体で担う「日米同盟を基軸としたアジアの戦略ハブ国家」としての役割を強めていくでしょう。
「日経平均20万円」は夢物語ではありません。名目成長と企業収益の拡大軌道を取り戻した日本株市場の長期将来予想であり、大局観に立った成長資産に抱くイメージです。
イラン戦争やホルムズ海峡の緊張がもたらす一時的な悲観や短期的な需給波乱(リスク)に振り回されず、政治・経済・技術革新・地政学・安全保障環境が同時的に変わり始めた中での大きなトレンドを見極めたいと思います。変化の始まりを見逃さず、長期の潮流に腰を据えて乗り切る投資姿勢こそが「果実としてのリターン」を期待できる可能性があるでしょう。
※本レポートは情報提供のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行われますようお願いいたします。
(香川 睦)

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