〈東大エロ接待疑惑・法廷闘争へ〉「できればテクニシャンを…」とソープランド接待を強要した教授2人と東大に4200万損害賠償を請求…東大に“塩対応”された協会理事は「もう我慢できない」
〈東大エロ接待疑惑・法廷闘争へ〉「できればテクニシャンを…」とソープランド接待を強要した教授2人と東大に4200万損害賠償を請求…東大に“塩対応”された協会理事は「もう我慢できない」

驚天動地のエロ接待強要疑惑が法廷闘争へ——。東京大学医学部のカリスマ教授(61)ら2人から巨額の風俗接待を強要されたとして共同研究を行っていた「日本化粧品協会」(引地功一代表理事)が5月15日、教授ら2人と東京大学に対し約4200万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

刑事事件になれば自らも贈賄罪に問われる可能性の高い引地代表は記者会見で、民事訴訟に踏み切った理由について「大学側に公益通報したが何の対応もしてもらえなかったため」などと訴えた。日本の最高学府と高等教育を統べる官僚機構の在り方が根本から問われている。

「東大側は、今に至るまでほぼ無視です」

この問題は週刊文春が3月、「東大皮膚科カリスマ教授がむさぼった1500万円“違法エロ接待”」として報じて口火を切り、教授らが共同研究者の引地氏に銀座の高級クラブやフレンチレストランでの酒食饗応、さらには「できればテクニシャン希望」などとソープランドでの接待を強要したという噴飯モノのたかり行為を繰り返していたという疑惑だ。

医療界では“常識”なのかもしれないが、一般人の感覚からするとにわかに信じ難いタカりに加え、教授らは金品を恐喝しようと「殺すぞ」などと暴言を繰り返したという。事実だとすれば、単なる贈収賄事件ではなく捜査1課が担当する強行犯事件だ。

この日の記者会見で配布された訴状によると、訴えられたのは東京大学大学院皮膚科学教授のX被告と特任准教授のY被告。公益通報を受けながら聞き取り調査すらしなかった大学当局についても被告に加えている。

暴行や恐喝については捜査を待たなければいけないが、接待については週刊文春なども報じているように証拠写真が数多く存在する。引地代表は提訴に至った経緯について、会見でこう述べた。

「これまで弁護士を伴って東大の本部法務課に出向いて嘆願もしてきましたが、全て無視され、課長や係長は名刺交換すらしてくれませんでした。昨年12月に東大側の弁護士が代わったので少しは話を聞いてくれるかなと期待しましたが、今に至るまでほぼ無視です。今日の提訴を迎えての感情としては、今まで暗闇だったところに少し光が差したかなという感情です」

恐喝されて「このまま進んでも地獄だな」「いつか潰れるな」と我に返った

刑事事件になった場合、自身が立件される可能性についてはこう心境を吐露した。

「もし私が訴えられたりしても、研究に関してはすごく社会にとって有益なので、X先生やY先生『以外』の先生方が寝る間も休みも惜しんでやっていただいた研究はすごく素晴らしいです。

なんとか私だけの罪で済むならば続けて欲しいです。

提訴するにあたって当時の感情を思い出すくらい膨大な客観的証拠を見直しました。反省しなければならない点については悔やんでいますが、正直恐喝された(昨年)8月30日に戻ればいいのか、その前まで戻ればいいのか、どこに戻ってもNOと言えないかもしれない。

このまま我慢して金を払っていたら、9月には3億円以上の分析センターの(検査機械の)代金も払わされていただろうし、約3年後の予定でしたがX先生が退職した後にクリニックを作って年間2700万円の給料も負担していたかもしれません。恐喝されて『このまま進んでも地獄だな』『いつか潰れるな』と我に返った感じです。

悩みながらも他の素晴らしい研究員が卓越した成果を出してくれていたので、なんとか研究の正常化ができればいいなと耐えたんですが、(昨年)9月17日までの2人の手のひら返しが酷かったので、仕事に行くのも嫌になりました。そこで『もう我慢できない』と弁護士に相談し、今に至ります。悔やんでいます」

昨年9月17日、引地氏は「東京大学コンプライアンス通報窓口」に訴えたが、大学側は「共同研究は中止」と一方的に通告、契約解除をしてきた。以降は何をしようとガン無視で、報道各社の事実確認の問い合わせに対しても「お答えできかねます」という徹底した塩対応を貫いている。

その体たらくぶりについて問われた阿部俊子文部科学大臣は「大学の対応を注視し、必要に応じて指導と助言を行う」と意味不明の玉虫色の回答をしたにとどめた。
管理監督をすべき文科大臣までこのありさまなだけに、司法の判断が注目される。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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