『バチェラー』『バチェロレッテ』卒業を決めた名物司会者・坂東工が明かす「ラスト3人に残る参加者」の共通点
『バチェラー』『バチェロレッテ』卒業を決めた名物司会者・坂東工が明かす「ラスト3人に残る参加者」の共通点

超ハイスペックな男性が“運命の一人”を選び抜く恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』シリーズ。その男女逆転版『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4が、5月15日に最終回を迎える。

 

あわせて、シリーズ開始以来、すべてのシーズンで司会進行役を務めてきた坂東工さんが、今作をもって卒業することを発表。約10年にわたる旅の卒業を決めた理由、そして司会進行役として貫いてきた美学とは…。その胸中をじっくり聞いた。(前後編の前編)

10年・10作目で卒業を決めた理由

――改めて、今シーズンで卒業を決めた理由を教えてください。

坂東工さん(以下、同) 今回のファイナルローズセレモニー(最後の1人を選ぶ儀式)で、4代目バチェロレッテの平松里菜さんが現れた瞬間、自分の気持ちが「完了した」と感じたんです。

――「気持ちが完了した」とは、具体的にどういう感覚ですか?

その瞬間に、これまでのいろんな出来事が一気に思い返されてきて。ほんの一瞬、司会進行役としての役割を忘れてしまったんですよ。0.5秒ぐらいなんですけど、「あ、やばい」って(笑)。でも同時に、「ああ、僕はこの瞬間を見るためにやってきたんだな」と、腑に落ちたんです。

――その実感が、卒業の決断につながった?

そうですね。その感覚を持ったまま続けていくと、どこか惰性になってしまう気がして。この“リアルな区切り”を大事にしたいと思って、「ここでピリオドを打とう」と決めました。

――では、10年・10シーズンという節目をあらかじめ意識していたわけではない?

まったくありませんでした。

あくまで、その瞬間が訪れたからこそ決めたという感覚です。気持ちが完了すると、本当に言葉が出なくなるんですよね。

――たとえると、どんな状態に近いのでしょう?

例えば、長く付き合った相手と別れるときに、「お互いよかったね」と言い合うような終わり方ってあるじゃないですか。良いことも悪いことも全部受け入れたうえで、「次に進もう」と思えるような…そんな感覚に近かったですね。

『バチェラー』と『バチェロレッテ』の参加者の違い

――司会進行役として、最も大切にしてきたことは何でしょうか?

やっぱり、参加者の方たちに余計な影響を与えないことですよね。 僕、いらんこと言いそうなんで(笑)。

――視聴者としては、そんな印象はあまりなかったですが。

彼ら彼女らが、自分の意志で選択して行動していく、そのプロセスがきちんと成立してほしいと思っていたんです。だから、自分から仕掛けを作ったり、意見を差し挟んだりすることは、しないようにしていました。

――番組では、バチェラーやバチェロレッテの知らないところで参加者同士が衝突する場面もありましたよね。

だからこそ「見守る」というのが、最も難しいのかもしれません。内心では歯がゆさもありますし、「こうなったらいいのに」と思う瞬間もありました。それでも、あくまで一歩引いた立場でいることを大切にしていました。

――『バチェラー』と『バチェロレッテ』、それぞれの参加者に違いは感じましたか?

最初はないと思っていたんですけど、実際には違いはありましたね。やはり『バチェロレッテ』の男性参加者のほうが、どちらかというと感情に素直で、作戦を立てずに「アクセルふかせばいい」と勢いで動くタイプが多い。その一方で、『バチェラー』の女性参加者は、より戦略的な印象がありました。

――確かに、言われてみると納得です。

ただ、司会としての役割自体はどちらも変わらないと思っています。もちろん僕も男性なので、心が折れそうになっている男性参加者を見たときは、「頑張れよ」と心の中で背中を押していたことはありましたね。

最後まで残る参加者の共通点

――最後の3人まで残る参加者には、何か共通点があるのでしょうか。

こればかりは正直、「分からない」としか言えないんですよね。ただひとつ言えるとすれば、これまで自分が準備してきたものに固執するのではなく、“今この瞬間”に集中できる人が残っている印象はあります。

――「今この瞬間に集中する」とは、どういうことでしょうか?

例えば、「自分はこういう人間です」と過去の実績や自己分析を語るよりも、今、目の前にいる相手とどう向き合うかに意識を向けるほうが大事だと思うんです。準備してきたものを提示するより、その場で関係性を築いていける人のほうが強いというか。

――なるほど。

「自分を分かってほしい」という気持ちで自己開示をするなら、準備してきた言葉ではなく、「今、自分はこう感じている」と伝えることのほうが、男女問わず響くんだろうなと感じています。

――改めて、10シーズンにわたり、ファイナルローズセレモニーを見守ってきた率直な思いを教えてください。

ファイナルローズを受け取る人も、受け取れない人も、どちらに対しても「良かったね」と思うんです。

――それはなぜでしょうか?

どちらにとっても、そこがひとつのスタートだからです。選ばれた人には「どうぞお幸せに」と思いますし、選ばれなかった人には「ここからまた新しい始まりだね」と感じる。どちらの経験も、その人の人生にとって意味のあるものになってほしい、という僕の願いでもありますが。

――選ばれなかった側にも、前向きな意味があると。

そうですね。人生の縮図のようなものだと思うので、そうした視点はあったほうがいい。だから僕は、どちらの立場の人も応援しています。それはもちろん、選ぶ側であるバチェラーやバチェロレッテに対しても同じ気持ちですね。

後編「『バチェラー』&『バチェロレッテ』の名物司会者・坂東工がたどりついた“真実の愛”」につづく

取材・文/木下未希 撮影/村上庄吾

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