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我慢して働いて、その先に何があるっていうのか『ニートの歩き方』

2012年8月29日 11時00分 (2012年9月1日 02時40分 更新)

『ニートの歩き方』pha(ファ)/技術評論社
ニート的な生き方について、様々なエピソードを交えて考えていく本。ガツガツ稼いだりせず、あんまりお金使わなくて無理せず、豊かで教養に充ちた暮らしなんて、いくらでもできるということを実感できる。

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だけどそれは、仕事に直接関係なくても「磨くと人生が豊かに楽しくなる能力」があるってこととかを無視して、

働くこと頑張ること前向きに生きる唯一の手段

というような感覚をみんなが持ちすぎていることが生み出したイメージだと思う。phaさんはこういったことに息苦しさを感じて、積極的に「だるい」と発言し、ツイッターでも書きまくっている。だるすぎて「D」としか書かないときもあるぐらいだ。

ニートというのは定義が難しい。役所の定義は存在するが、ニートと一般会社員の間に、かなりたくさん色んな形態がある。phaさんはこう書いてる。

「フリーライターやってるけど月収五万円くらいで全然食えない」って言ったらダメっぽい感じがするけど、全く同じ状況を説明するのに「ニートだけどたまに文章書いてて月に五万稼いでる」って言ったらすごいような気がする。

まさにそうだ。「文章書いてお金もらおうとする人はニートじゃない」って言うかもしれない。でも、それはニートを「究極の怠け者」に定義して、それ以外の人を全て「非ニート」に定義しているにすぎない。

「頑張る」と「頑張らない」があって、月曜日から金曜日、毎朝起きて8時間とかそれ以上働くのが「頑張る」で、常時全く何もする気力がないのが「頑張らない」だとしたら、多くのニートはそのどちらでもないだろう。

昼過ぎに30分だけ何かしてお金がもらえるならやりたいと思うニートも多いだろうし、週2で無断欠勤無断遅刻オッケーなら是非働きたい、なんてニートも多いだろう。フリーランスの世界で仕事をしている人には、こういう人が少なくない。

そういう多種多様なやる気がどんどん認められて、フリーランス以外にも、フリーターや、アフィリエイトやオークションで稼いでる人も、どんな感じでも自由勝手にやって、そういう生き方がもっと普通に認められる。そして正社員やニートやバイトを、みんな自由に気軽に行ったり来たりできるようになったらいいのに、というのが「だるい」に込められているように僕は思えたし、本書にはそういう「フルタイム労働だけがまともだと思われる世界だるい」という人のために様々な指南が書かれている。

ネットで小銭を稼ぐ方法、ダメになりそうになったときに頼る福祉制度、ニート的な生き方のデメリット、ニート的な生き方にも必要とされる志、そして、いかに人間関係のネットワークが大切かといったようなことについてが書かれている。

ライター情報

香山哲

漫画家・ゲーム作家。ビックリマンシール研究からモバゲーアプリ制作まで、偏った活動を様々に展開。インディーズ出版社ドグマ出版代表。 『ギターマガジン』『マンガナビ』に連載中。著書に『ランチパックの本』など。
ツイッター/@kayamatetsu

URL:香山哲の電脳ブログ

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