■歌舞伎町を舞台にした280万部の話題作



 累計発行部数280万部を突破した人気コミック『みいちゃんと山田さん』(「マガポケ」で連載中)の2027年アニメ化が発表され、SNSで論争が続いている。



 本作は亜月ねね氏が、2012年の歌舞伎町を舞台に、キャバクラで働く山田さんと、漢字の読み書きや簡単な計算が苦手な新人・みいちゃんの出会いから、みいちゃんが命を落とすまでの12カ月を描いたもの。

一般的な常識・能力が欠落している女性が社会的に搾取されていく、読んでいて心を締め付けられる内容だ。それだけに、地上波で不特定多数の目に触れる形にすることの是非が問われている。



 やはた愛前衆議院議員は自身のXで「全部読んだ」と前置きし、「この作品がアニメ化できるほど日本社会は成熟しておりません」と断じた。批判的なリプライが殺到しても、やはた氏はくじけない。むしろ、その反応こそが懸念の裏付けだと切り返した。



「ここのリプ欄が全てを物語っています。意図が伝わらず捻じ曲げられる。賛成!反対!の単純な話はむしろ、事の本質をすり替えています。この作品がアニメ化されたらどのような弊害を生むのか、懸念を持つ当事者の声を聞き製作陣はどのような配慮が必要なのか、実際に“みいちゃん”を使った誹謗中傷や揶揄が起きている現実を社会としてどう捉えていくのかもっと考えるべきだし、せっかく同じ出版社から素晴らしい作品が出ているのだから、こちらも是非読んでみんなで理解を深めていきませんかという話をしています」



 新日本プロレスのグレート・オーカーンはアニメ化決定のポストにリプライし、「最近アニメ化のチキンレース始まってないか!?」と疑問を呈した。





■二つの火種からさらに炎上



 こうした反発を受け、『みいちゃんと山田さん』アニメ製作委員会は7月27日に公式見解を発表。アニメ化の意義があると表明したうえで、偏見や誤解を助長しないよう、原作を尊重しながら専門家の助言を得て慎重に制作を進め、適切なレーティングや注意喚起も検討すると説明した。



 ところが、その火消しを打ち消す形で二つの火種が浮上する。



 一つは、今年1月に公開されたヤンマガ日常chの動画だ。同誌編集部員が他誌のオススメ作品として本作を紹介する中で、「みいちゃんが堕ちていくのが見たい」「ポップに罪悪感なく人の不幸が読めちゃう」「バッドエンドが決定しているのに読んじゃう」と語っていた場面が掘り起こされて炎上。動画は8月1日に非公開となった。製作委員会が掲げた「原作のテーマの尊重」と、同じ講談社の編集部員が実際に口にしていた推しポイントとの落差が突かれた形だ。



 もう一つは原作者をめぐる疑義だ。亜月氏は7月31日、商業連載前に本作の原型を掲載していたX上のアカウント「ダイアナ」について、自身とは別人だと説明。2024年2月まで依頼を受けて作画のみを担当していたとし、当時のキャラクターの発言が「作者本人の体験・発言」として引用されているのは事実と異なると否定した。しかしSNSには、商業化前の同作がダイアナ名義で公開されていた点などを挙げて説明との矛盾を指摘する投稿が相次ぎ、疑問は収まっていない。



 どうやらアニメを放映する前に、疑惑を払拭する方が先のようだ。



文:BEST T!MES編集部

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