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 1館でのインディーズ上映から注目を集め、全国50館での緊急拡大ロードショーが開始された、映画『レンタル家族』(配給:ラビットハウス)。28日、池袋シネマ・ロサでの上映後舞台挨拶に、上坂龍之介監督と出演者が登壇した。



 1995年兵庫県生まれの上坂監督は、本作が初監督作品。「映画監督になりたくて東京に来たんですが、目の前の仕事が忙しく、夢を追うのを忘れていました。数年前に祖父が亡くなり、実家に帰った時、自分でもびっくりするぐらい涙が出てきて。おじいちゃんに映画を見せられなかったな、何しに東京に行ったんだろう……と思い、だったら映画を撮ろう、と作ったのが『レンタル家族』になります」と、作品誕生の経緯を語った。主人公の母と父は監督の祖母と祖父、主人公は母の友人というように、各登場人物に実際のモデルがいることも明かした。



 『レンタル家族』は、認知症の母をもつ主人公が「レンタル家族」サービスを利用する姿を通し、現代社会における家族の絆やつながりを問い直すヒューマンドラマ。インディーズからヒットした映画では『カメラを止めるな!』や『侍タイムスリッパー』が知られているが、エンターテインメント色の強い2作と異なり、本作では人物の心理や人間模様が丹念に描かれ、観客の心に切なさと温かさを残す仕上がりとなっている。



 





 



 心優しく仕事熱心な反面、自己主張が苦手な主人公・洋子を演じたのは、オーディションで即決だったという荻野友里(43)。佇まいや声の透明感と、繊細かつ等身大の演技が、本作の大きな魅力の一つとなっている。舞台挨拶で荻野は、役作りについて「変にキャラクター作りをするのではなくて、もしかしたら隣にいるかもしれない誰か、というような距離感で作ってみました」と語った。



 荻野は劇団「青年団」に所属し、今年第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に『ナギダイアリー』が出品された深田晃司監督とは同期団員に当たる。この日は深田監督がスペシャルゲストとして駆け付け、荻野に花束を贈呈した。



 荻野は「(劇団に)一緒に入った頃はまさか世界の映画監督になるとは思わず、“深ちゃん”と呼んでいます(笑)」と告白。深田監督は「(荻野さんには)自分の映画にも何度か出ていただいて、素晴らしい俳優さんだとはもちろんわかっていたんですけど、この映画でもやっぱりすごく良くて、思わず荻野さんに注目してしまいました。こうして拡大公開になって、遠くへ行ってしまったような、ちょっと悔しい気持ちがあります」と語った。



 『レンタル家族』は、会場の観客による一般投票でグランプリを決める「第23回中之島映画祭」にてグランプリを受賞。新宿K's cinema、TOHOシネマズ日比谷ほか全国で順次拡大公開中だ。



 



『ナギダイアリー』深田晃司監督が、話題沸騰中の同期女優を絶賛。「遠くへ行ってしまったような、悔しい気持ちです」
(左から)主人公の母役・駒塚由衣、深田晃司監督、荻野友里、上坂龍之介監督、主人公の父役・黒岩徹



文:BEST T!MES編集部

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