北朝鮮北東部の咸興市で、窃盗や詐欺、家庭内トラブルなどを巡る被害相談が急増する一方、住民の間で司法機関への不信感が急速に広がっていることが分かった。自力で解決した方が早いとして、「法よりも拳だ」との言葉まで広がっているという。

デイリーNKの現地消息筋が伝えた。

このような場合、被害者から「取り立て」や「用心棒」のような仕事を請け負うアウトローたちがいたことを、筆者は2人の脱北者から聞いている。

また米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は2022年4月、北朝鮮当局が「犯罪前科者」「ヤクザ者」に対する取り締まりを強化するための指示文を地方機関に出したと報じた。

咸鏡南道のある行政幹部は当時、RFAに対して「指示文は過去数カ月の間に全国で発生した数十件の凶悪犯罪を分析した結果、大部分が犯罪前科者、無職ヤクザ者によって起こされたものだったことを明らかにした」とし、「一部の前科者とヤクザ者が良からぬ考えから党幹部や行政幹部、安全・保衛要員を襲撃して殺人行為に至った事例も通知された」と明らかにしている。

国民への監視の厳しい北朝鮮で、こうしたヤクザ組織が巨大化することは今のところ考えづらい。ただ、経済難の中では根絶も難しく、彼らが突発的に「大それたこと」をやらかす可能性はゼロではなかろう。

編集部おすすめ