日本やフィリピンなど14カ国は12日、南シナ海をめぐる中国の広範な領有権主張を退けた国際仲裁裁判所の判断から10年の節目に合わせ、中国の主張には法的根拠がないとの共同声明を発表した。中国は仲裁判断を「紙くず」と拒否しており、共産党機関紙は「南シナ海は域外国の『狩猟場』でも『闘技場』でもない」と反論した。

ロイター通信によると、共同声明には日比両国や米国、オーストラリア、英国、カナダ、エストニア、ドイツ、イタリア、ラトビア、リトアニア、ニュージーランド(NZ)、ルーマニア、スロベニアが参加。「10年前の仲裁裁判所による判断は重要なマイルストーンであり、中国とフィリピンとの間において最終的な法的に拘束する決定的なものであることを再確認する」とした。

共同声明に対し、共産党機関紙・人民日報は国際論評の「鐘声」で「共同声明は歴史的事実と国際法の基本準則を顧みず、南シナ海における中国の合法的な権益を不当に否定し、南シナ海における中国の正当な管轄・権益維持活動をいわれなく非難しており、そもそも違法かつ無効ないわゆる『仲裁判断』への助勢を愚かにも目論んでいる」と主張。「地政学上の私益に基づく政治的操作である仲裁判断の本質は、南シナ海情勢をかく乱させ、地域の平和と安定および人々の幸福を犠牲にする企てであり、その悪意ある意図は明々白々だ」と述べた。

そして「南シナ海は域外国の『狩猟場』ではないし、ましてや大国間の駆け引きの『闘技場』となるべきでもない」と指摘。「米国、日本、オーストラリア等の国々やEU(欧州連合)は南シナ海問題の当事者ではなく、本来ならば南シナ海の主権争いに対して客観的かつ中立的な立場を堅持すべきであるにもかかわらず、地政学的戦略上の私益に基づき、違法かつ無効ないわゆる『仲裁判断』を再三にわたり公然と支持してきた」と非難した。

さらに「これらの域外国は地域に混乱をもたらし意図的に地域情勢の緊張を誇張し、フィリピンによる主権侵害・挑発行為を放任、地域諸国の関係に水を差そうと腐心してきた」と言及。「南シナ海情勢が全体として安定を維持している中、域外勢力のこうしたやり方は平和を求め発展を図る地域諸国の人々の共通の願いと完全に相反するものであり、地域諸国の利益と国際社会の平和・安定に対して極めて無責任な行為である」と断罪した。

その上で「南シナ海における中国の主権および権益は長い歴史的プロセスの中で形成されたものであり、十分な歴史的根拠と法理上の根拠を有している」と強調。「中国が南シナ海の関係島・礁および海域で管轄権を行使し、権益維持のための法執行活動を実施することは中国の国内法および国連海洋法条約を含む国際法に完全に合致しており、プロフェッショナルかつ抑制的、合理的かつ合法的なものである。南シナ海における中国の主権および権益は、いわゆる『仲裁判断』の影響をみじんも受けない」と訴えた。(編集/日向)

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