食品卸・広川(広島市)の廣川正和社長は、地域の食資源を活用した冷凍事業に新たに取り組む方針を示した。8月25日に広島市で開いた広栄会で述べたもの。


 廣川社長は生産量が少ない、旬が短いなどの理由で流通が難しい地域の食材について「瀬戸内にはまだ広く世の中に届いていないが、良いものがたくさんある。そこにわれわれ卸売業の仕事がある」と強調した。

 日常的に使うものを非日常時にも役立てるという「フェーズフリー」の考えに基づき、「冷凍することで地域食材の価値を保ち、保存性を高め、普段から商品として流通させる」と説明。「それがフードロスの削減や販路拡大につながり、結果として地域の食を強くすることになる」と力を込めた。

 同社は来年、創業170周年を迎える。廣川社長は「感謝を形にするとともに、新しい商売を皆さまと一緒に作る。それがわれわれにとって一番意味のある170周年になる」と述べた。

 続いて、廣川充明常務が前6月期の概況を報告。食品事業の売上高は前年比94.7%の減収だったが、予算比は105%とクリアした。営業利益については「大幅に改善し、黒字転換を見込む」(廣川常務)とし、その理由として拠点・エリアの見直し、生産性向上のための業務整理、価格決定のルール見直しを挙げた。

 今期(92期)はAIの活用と推進、基幹システム・受発注システムの刷新、企業間連携の強化――の3点に力を入れる。廣川常務は「広島で最もAIを使いこなす企業になる」と強調。
企業間連携では「怪獣レモン」の瀬戸内百姓との連携強化、8月に業務提携した沖縄のシードデザインオフィスとのバナナに関する事業に注力する考えを示した。

 なお、会には取引先メーカー83社が出席。あいさつに立った神崎巌会長(日清製粉ウェルナ中四国営業部長)は「昨今は、少し前には考えも及ばなかった行動変化が起こっている。食品業界として、よりスピーディな対応が必要な時代になったのを痛感する」と述べた。

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