レアル・マドリードを率いるジョゼ・モウリーニョ監督が、サー・アレックス・ファーガソン氏の後任としてマンチェスター・ユナイテッドに就任する可能性があったことを告白した。9日、イギリスメディア『BBC』や大手メディア『ESPN』などが伝えている。


 1986年から2013年まで約27年もの間、指揮官を務めたファーガソン氏の後任として、当時香川真司も在籍していたマンチェスター・ユナイテッドは、2013年夏にデイヴィッド・モイーズ監督(現:エヴァートン指揮官)を招へいした。しかし、この時にモウリーニョ監督がマンチェスター・ユナイテッド就任に迫っていたという。

 自身の人生を追った『Netflix』の新作ドキュメンタリーで、モウリーニョ監督は「2013年に私はチェルシーへ行くことになったが、その時期、誰にも知られていない事実があった」と2013年夏にはレアル・マドリード退団後に、古巣チェルシーに2度目の就任を果たしていたが、その直前にはマンチェスター・ユナイテッドへの就任で合意していたことを明かした。

「真実を話しても誰かを傷つけることはないと思うし、私たちが取り組んでいるこの作品の目的は真実を伝えることにあると思うから、話してもいいだろう。レアル・マドリードを離れる際、私はサー・アレックスの後任としてマンチェスター・ユナイテッドへ行く契約をかわしていたんだ」

「もちろん、とても光栄に思った。マンチェスター・ユナイテッドには素晴らしい魅力があるからね。レアル・マドリードを世界最大のクラブだと言うなら、マンチェスター・ユナイテッドもそれに極めて近い存在だと言わなければならない」

 それでも、最終的にチェルシー復帰を決断した理由については「サッカーへの愛と、特定のクラブへの愛は別物だ。後者の方がサッカーへの愛よりも強いものだと思う。根本的な話、レアル・マドリードを去った後、私は自分が愛されていると感じる必要があったんだ」と古巣からの復帰要請を断ることはできなかったと説明した。

 さらに、このドキュメンタリーにはファーガソン氏も登場し、「確かに彼にはその仕事のオファーを出した」と自身の後任としてモウリーニョ監督の就任を望んでいたことを認めつつ、泣きながら断りの連絡があったことも打ち明けた。

「彼とじっくり話し合い、状況を説明した。私の認識では彼は承諾していた。
ところが、それから数時間のうちに状況が変わってしまった。ある夜、彼から電話があり、泣きながらこう言ったんだ。『アレックス、引き受けることはできない。チェルシーに約束をしてしまったので、その約束を破るわけにはいかないんだ』とね。彼が私に説明した理由は理解できたけど、それでも失望はした」

 2014-15シーズンには自身3度目のプレミアリーグ制覇に加え、リーグカップも制して2冠を達成したものの、チェルシーを2015年12月に解任された後、最終的には2016年夏にマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任して約2年半もの間、指揮を執ったモウリーニョ監督は、「サー・アレックス・ファーガソンの後任監督になるチャンスを逃したことは劇的な出来事だったが、後悔はしていない。あれは自分の心に従って下した決断だったからだ」と語りながら、次のように振り返った。

「愛に基づいて行動する時、決して間違ったことはしない。それは自然の理のようなものだと思う。私は愛ゆえにそうしたんだ。家に帰るような感覚で戻ったが、同時に大きな責任も感じていた。以前の功績はすでに歴史の一部となっていて、自らの遺産を台無しにはしたくなかったからね」
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