スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(21)が19日、岩手・花巻市内の屋内野球施設「King of the Hill」で会見し、8巡目(全体235位)で指名された米大リーグのマーリンズに入団することを表明した。1位指名されたソフトバンク、大学残留を含めた選択肢から、決断を下した。
スラッガーの目には力があった。紺色のスーツ、ネクタイ姿で行った故郷・岩手での記者会見。麟太郎は約70人の報道陣を前に、はっきりとした口調で決意を語った。
「私、佐々木麟太郎はこのたび、マイアミ・マーリンズでプレーすることを決断しました。新たな道の開拓が私、佐々木麟太郎の使命、宿命だと思い、アメリカで頑張ってまいります」
幼少期からメジャーに憧れた。打撃フォームの参考にしたのは、同じ左打者のバリー・ボンズ。大谷翔平(ドジャース)の父・徹氏(64)が監督を務める金ケ崎シニアに所属していた中学1年時の18年には、当時エンゼルスの「翔平さん」が新人王に。尊敬する先輩の活躍は、新たな刺激となった。大谷はもちろん、菊池雄星(エンゼルス)も憧れの存在。花巻東OBの両選手がプレーするメジャーで試合をすることが目標であり、夢だった。
「アメリカで挑戦したかった。あの2人(菊池と大谷)の存在が私の人生、キャリアをつくり上げてきてくれたと思っている。肩を並べられる立場ではないけど、そこに並べるように目指して頑張ります」
一方で、高校時代から視察を続けたソフトバンクの1位指名は、光栄だった。同球団への思いを問われると「感謝しかない」と言葉を詰まらせ、涙した。だが、熟考を重ねた末に心は決まった。「後悔だけはしたくない。失敗したか、しないかではなく、挑戦したか、しないかを選ぶ人生にしたい」。日本の高校から米国の大学を経て、ドラフトでMLBへ。異例の道を歩むことを決めた。近日中に渡米し契約を交わす予定。スタンフォード大は休学する。
道のりが険しいことは覚悟の上だ。
◆麟太郎に聞く
―マーリンズを選んだ。
「昨日(18日)の夜遅くまで悩みました。どの選択肢もすばらしい。どこに行っても後悔するということはないと思ったんですけど。アメリカで挑戦したいという気持ちが自分の中で勝った」
―心境は?
「すごい厳しい競争になることは分かっている。保証のない世界。
―目標とは。
「佐々木麟太郎という生き方。人とは違う生き方。道を開けるような人間になりたい」
―大谷、菊池へ報告は。
「報告してます。雄星さんには『麟太郎がメジャーに上がってくるまで、メジャー(に)いられるように頑張りたい』と言葉をもらった」
―父への思いは?
「最終的には自分で決めたんですけど、家族含めて悩みました。父親に対しては、本当に人間・佐々木麟太郎、野球選手・佐々木麟太郎として育ててもらったので。父も母もここまで育ててくれた。恩返しできるように」
花巻東・佐々木洋監督(父は文書でコメントを発表)「貴重なドラフトの1枠、しかもドラフト1位枠を無駄にしてしまう形となる球団の皆様のお気持ちを思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。息子には至らぬ点も多く、プロの世界で成功できる保証など何一つありません。それでも、自らの夢に挑みたいという強い意志を尊重し、父親として遠くから静かに見守り、応援してまいりたいと思います」
佐々木秋羽(しゅう、麟太郎の妹で巨人女子野球チーム内野手)「彼の選択を応援したい。両親と話していたようです。
◆佐々木 麟太郎(ささき・りんたろう)2005年4月18日、岩手・北上市生まれ。21歳。幼少時から野球を始め、江釣子(えづりこ)中では大谷翔平の父・徹氏が監督を務める金ケ崎シニアに所属し、2年夏に「4番・三塁」で東日本選抜大会優勝。花巻東では1年春からレギュラー。高校通算140本塁打。24年秋、米スタンフォード大に進学し、2年目の今年は16本塁打。185センチ、122キロ。右投左打。家族は両親と妹。










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