◆第108回全国高校野球選手権岩手大会 ▽決勝 花巻東5―0盛岡大付(25日・きたぎんボールパーク)

 2021年以来5年ぶりの夏の甲子園出場を狙った盛岡大付は、3年連続となる花巻東との決勝戦に敗れた。試合後、関口清治監督(49)は「流れが悪いまま最後まで行ってしまった。

(花巻東には)何回も挑戦しているのですが、なかなか勝つことができない。それでも頑張っている選手がいる以上、挑戦は続けたい」と悔しさをにじませた。

 悲願は逃したが、3年連続決勝進出という形で力を示したチーム。水沢との準々決勝、一関一との準決勝の2試合は接戦を最後まで粘り強く戦いものにしてきた。

 そんなチームが秋から掲げたテーマは「求心力」。グラウンドの草むしりや、寮の食事当番を控えの3年生が率先して行うなど、「求められていることの先」までやりきる力を培ってきた。日常生活における一つ一つの役割に主体性をもって動くようになったことで、チームバッティングや試合に出ていないメンバーがどう勝ちに貢献するかを全員が追求するようになった。

 関口監督も「元々力のあった子でもそれを表現できずにいた。持っている力を引き出すために普段の仕事に対して徹底した意識を持ってくれたことで、今では(野球でも)想像以上のことをやってくれます」と、成長に目を細めていた。

 意識改革の中心にいたのは主将の柳葉一路(3年)だ。関口監督が「背中で見せるタイプ」とするキャプテンは、率先して掃除や寮の仕事に取り組みナインに「求心力」を浸透させてきた。「簡単だから、面倒なものだからではなくできる精いっぱいをやりきる。

そういったことが試合終盤の粘り強さなどにつながっている」。勝利を追求するチームの土台を築き上げた。

 悲願の甲子園をかけた決勝は、花巻東の県史上初4連覇で幕を閉じた。柳葉は最後の打者が打ち取られるまで、三塁コーチャーズボックスからチームを懸命に鼓舞し続けた。試合終了の瞬間には膝から崩れ落ちたが、整列後には花巻東の主将・古城大翔(3年)と抱擁を交わし、偉業を達成したライバルをたたえた。王者に真っ向勝負を挑んだチームに指揮官は「最後の最後まで諦めずに向かっていった姿、120点満点です」。頼れるキャプテンの残した「求心力」は、必ず次の代に受け継がれる。

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