◆第108回全国高校野球兵庫大会 ▽決勝 明石商2―3社(26日・ほっともっとフィールド神戸)

 明石商の7年ぶり3度目の甲子園は幻に消えた。同じ公立校の社に逆転負け。

5回戦で春の近畿王者・報徳学園にコールド勝ち。準決勝ではセンバツ出場の神戸国際大付を延長10回タイブレークで撃破するなど強敵を次々に倒してきたが、頂点は届かなかった。

 背番号10の最速145キロ右腕・仲吉泰清(2年)が1球に泣いた。1点リードの8回1死一塁。小倉臣斗(3年)に1ボールから投じたスライダーが高めに浮いた。左越え逆転2ラン。スタンドで弾む打球を見た仲吉はマウンドでがっくりと肩を落とした。

 小倉は初回と3回の2打席ともスライダーで空振り三振に仕留めていた。「1点差で走者がいたので、アウトを取りたくて、ストライクを取りに行ってしまった。その分、ちょっと浮いてしまった」と仲吉は悔しがった。

 捕手の大塚弥(あまね=2年)は「いい時は低めに決まっていたけれど、(疲れからか)抜け球も多かった。1球の重みを感じました」。

大塚は7回2死二塁から勝ち越しとなる中前タイムリーを放ち「あれで行けると思った」という。それも帳消しにしてしまう1球にうなだれた。

 仲吉は5回戦の報徳学園戦で7回を“完封”。準決勝の神戸国際大付戦では自己最多の160球を投げ、中1日。猛暑の中、決勝では133球を投じた。全7試合に登板し708球の熱投も、悔やみきれない1球になった。「自分の失投で、先輩たちが作ってくれた“行ける!”というムードを1球でつぶしてしまった」と言う。

 狭間善徳監督(62)は「一番の収穫は仲吉ですかね。しんどいところから力を抜いて緩急を使えて打者を打ち取ることができた」と話した。

 試合後、仲吉は3年生から声をかけられた。「ありがとう。お前のお陰でここまでこられた」。

その言葉で仲吉は決意した。「(新チームでは)自分がチームを引っ張っていく。2度とこういう試合にならないように。気を引き締めたい」。先輩と一緒に甲子園に行く夢はかなわなかったが、この敗戦を糧にしていく。

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