◆第108回全国高校野球選手権大会第4日 ▽1回戦 白樺学園1―2東日本国際大昌平(8日・甲子園

 春夏通じて初出場の東日本国際大昌平(福島)が白樺学園(北北海道)を下して甲子園初勝利を挙げた。同点の9回に、今大会から導入されたビデオ検証で初めて判定が覆った二塁走者が決勝のホームイン。

新時代の甲子園で、歴史的な1点が勝敗を分けた。

 両手を大きく振ってリクエストした。9回2死一、二塁。東日本国際大昌平・小内壱晟は二塁上から三塁側ベンチの江井康胤(えねい・やすたね)監督(55)にすがるような視線でアピールした。2番・入ケ町隼仁の打席で白樺学園・後藤健が二塁へけん制球。小内は左足から戻ってタッチをかいくぐるも判定はアウト。「セーフという自信があったのでお願いしました」。サインを受けた江井監督は球審に伝令を出してビデオ検証を求めた。

 今大会3度目のビデオ検証。スコアボードの大型ビジョンにリプレーの映像が流れるたび、歓声とどよめきが交差する。「ビデオ検証の結果、判定をセーフに変更し…」という球審のアナウンスが流れると、三塁側アルプス席が一気に盛り上がった。「ベンチのみんなもセーフと確信していたので自分も信じて振っていきました」。

入ケ町は後藤が投じた内角球をうまくさばいて左前へはじき返し、小内が頭から決勝のホームに飛び込んだ。「がむしゃらに走るだけでした」。泥にまみれた顔をほころばせた。

 各チームがビデオ検証を求めることができるのは9イニングで1度。判定が覆った場合のみ、もう1度だけ求めることができる(9回まで)。最後の勝負どころで行使し、初めて判定が覆った。「まさかあの場面で自分が、と驚きました」と小内。江井監督は「あそこは勝負どころだったのでアウトになるかもしれませんがセーフになれば大きい」と振り返った。

 負ければ終わりの一発勝負。ここぞの場面でビデオ検証を求めるチームが増えてくるはずだ。「自分のああいうプレーで試合が決定づけられる場面もあるので、ビデオ検証をお願いできるということはとてもいいことだと思います」と小内。執念のリクエストが48年ぶりの福島県勢初出場初勝利をもたらした。

「次も校歌を歌いたい」と入ケ町。甲子園2勝目へ、さあチャレンジだ。(秋本 正己)

 ◆甲子園大会のビデオ検証 今大会から導入され、7日の第3試合、有明―立命館宇治で初めて実施。7回2死一塁、有明の一塁走者が二盗を試みたが、ヘッドスライディングで二塁を通り過ぎ、慌てて二塁へ戻った。検証の結果、判定通りにアウトとなった。同日の第4試合、長崎日大―立正大淞南でも長崎日大の攻撃となる6回1死二塁、投ゴロで投手は帰塁する二塁走者を刺そうと二塁へ送球。これがセーフとなり、立正大淞南がビデオ検証を求めたが、判定は変わらず。

 ◆福島県勢初出場初勝利は48年ぶり 東日本国際大昌平は春夏通して甲子園初出場で初勝利。福島県勢で甲子園出場は20校目。甲子園初戦に勝ったのは、63年夏・磐城(〈1〉5―1丸亀商)、78年夏・郡山北工(〈1〉2―1松山商)、88年春・福島北(〈2〉3―2神港学園)に次ぎ、4校目。夏の選手権では、78年の郡山北工以来、48年ぶりの県勢甲子園初出場初勝利になった。

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