馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はアデイインザライフが勝った2016年の新潟記念を取り上げる。

横山典弘騎手がデビュー31年目でJRA全10場重賞制覇となった記念すべき一戦だ。

 大歓声のスタンド前。ファンの目の前で巨体を揺らしながら外ラチ近くを先頭で駆け抜けたのは、アデイインザライフだった。外枠から好スタートも道中は馬群から離れた後方2番手に。それでも、横山典は「この馬のリズムを大事に」とパートナーの力を信じて待っていた。

 直線では思い切って大外へ持ち出すと、残り100メートルで横一線となった馬群を一気にかわしてゴールへ。条件戦から3連勝で、重賞タイトルをつかんだ。「後ろからソーッと行って、どれだけ伸びるか。器用ではないので、エンジンをかけたら不利なく走らせたかった。暑さを我慢してパワーアップしてくれていたし、返し馬の感じも良くて本当に状態は良かった」。ファンの前では『横山典弘らしい乗り方』と自ら表現した勝利を振り返った。

 デビューから18回挑戦して2着4回とはね返され続けてきた新潟の重賞を初制覇。

リーチがかかってからは14度目の挑戦で、史上4人目となるJRA全10場重賞制覇を成し遂げた。重賞160勝目、今までで最長のキャリア30年6か月4日での達成と思わぬ「難産」になったが、「31年目でようやく。本当にうれしい」と笑顔がはじける。

 アデイインザライフは15年2月末に勇退した鈴木康弘元調教師のもと、14年報知杯弥生賞ではトゥザワールド、ワンアンドオンリーに続く3着。皐月賞にも出走していた(16着)。「この馬も秋にはもっと良くなると思う。僕自身も頑張りたい」と横山典。軌道に乗ってきたパートナーとの飛躍を誓ったが、その後屈けん炎が発症し、復帰は果たしたものの、2018年エプソムC(15着)を最後に引退した。

 横山典は58歳となった今も現役を続け、今年3月8日には武豊に次ぐ史上2人目のJRA通算3000勝を挙げた。また、同28日には日経賞で自身の持つJRA最年長重賞勝利記録を58歳1か月5日に更新するなど存在感を放ち続けている。

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