【夏の甲子園】準々決勝・仙台育英 - 智弁和歌山 両校の勝ち上がりを振り返る

第108回全国高校野球選手権大会は8月18日、阪神甲子園球場で第13日を迎える。
午前10時30分から準々決勝第2試合として仙台育英(宮城) - 智弁和歌山(和歌山)が行われる。

開幕試合から3試合を戦って失点4に抑えた仙台育英と、延長11回タイブレークの末に敦賀気比を振り切った智弁和歌山。両校とも3回戦は8月15日で、17日の休養日を挟んだ中2日という条件は同じだが、消耗の中身は違う。甲子園での対戦は2007年以来19年ぶり。試合を前に、両校の戦いぶりを振り返る。

◆仙台育英(宮城)― 3試合で失点4、1点差を2度守り切った

大会成績
1回戦(8月5日・第1試合) 札幌日大 1-3 仙台育英
2回戦(8月12日・第2試合) 花咲徳栄 0-1 仙台育英
3回戦(8月15日・第4試合) 拓大紅陵 3-6 仙台育英

【大会通算】3戦3勝 10得点・4失点(1試合平均3.3得点・1.3失点)

開幕試合は大会第1号で流れをつかんだ

初戦は開会式直後の開幕試合。3回に2番・斎藤駿多(2年)の適時打で先制すると、4回には4番・田山纏(3年)が今大会第1号となるソロ本塁打を左翼へ運んだ。6回に1点差へ詰められたが、8回に5番・高岡龍一(2年)の適時打で突き放した。

先発した2年生右腕・古川諒弥は5回1/3を2安打7奪三振1失点、99球。福井勇翔(2年)を挟み、3番手の梶井湊斗(3年)が残る3回を無失点(60球)で締めた。敗れた札幌日大は9安打を放ちながら残塁12。得点は押し出し死球による1点にとどまった。

2年生右腕が119球で完封

2回戦の相手は最速148キロ右腕・黒川凌大(3年)を擁する花咲徳栄。

0-0で迎えた6回、失策と3番・丹羽裕聖(1年)の安打で走者を2人置き、田山の左前適時打が決勝点になった。

古川は2試合連続の先発で9回5安打4奪三振無失点、119球の完封。黒川も9回8安打1失点、135球と投げ合ったが、打線が5安打に抑えられた。この勝利で仙台育英は史上5校目の夏50勝に到達した。

3回戦は継投で猛追を振り切る

3回戦は初回から田山、有本豪琉(2年)、倉田葵生(3年)の適時打で3点。2回にも丹羽の適時打で4-0とした。5回に有本のこの日2本目の適時打で5-1としたが、6回に拓大紅陵が加治征樹(3年)、阪本幹太(3年)の連続適時打で2点差に迫る。7回、田山の右翼フェンス直撃の三塁打と犠飛で1点を加えたのが効いた。

先発は千葉出身の福井勇翔で、5回1/3を7安打7奪三振3失点。中学時代のチームメートが並ぶ相手を相手に試合をつくった。以降は梶井、古川がつないで無失点。4回には37分の雨天中断もあった。

チームは14安打を記録している。

古川は中2日、球数の余裕はまだ大きい

古川は1回戦99球、2回戦119球の計218球。3回戦は8回無死一、二塁の場面から救援し、無失点でしのいだ(3回戦の球数は報道で確認できていない)。1週間500球の累積対象に入るのは8月12日以降の登板分で、上限までの距離はまだ十分にある。梶井・福井を含めた3人で回す形が3試合で固まっており、先発を誰に託すかの自由度は高い。

◆智弁和歌山(和歌山)― 8回に追いつき、延長11回に一挙5点

大会成績
2回戦(8月11日・第2試合) 社 1-2 智弁和歌山
3回戦(8月15日・第2試合) 敦賀気比 3-7 智弁和歌山 ※延長11回タイブレーク

【大会通算】2戦2勝 9得点・4失点(1試合平均4.5得点・2.0失点)

6安打で守り勝った初戦

2回戦から登場した初戦は、6安打で2点をもぎ取る展開。2回、5番・楠本龍生(3年)の三塁打を足がかりに6番・松本虎太郎主将(3年)の内野ゴロで先制し、3回には1番・長友悠成(2年)の二塁打から3番・井本陽太(2年)の犠飛で加点した。

先発の和気匠太(3年)が6回2安打6奪三振無失点、長井心海(2年)が残る3回を1失点。社のエース岩井秀耶(3年)も9回8安打2失点、103球と踏ん張ったが、7回の1点だけでは届かなかった。優勝した2021年以来、5年ぶりの初戦突破となった。なお松本主将は6月末に腰のヘルニアの手術を受け、和歌山大会の3回戦で実戦復帰している。

2死からの同点打、そしてタイブレークで5点

3回戦は5回に敦賀気比へ2点を先行された。

反撃は8回、2死二、三塁から7番・川原一将(3年)が2点適時二塁打を放って同点。9回も動かず、延長10回のタイブレークは両校無得点で終わった。

決着は11回表。1死二、三塁から川原が左前へ弾き返すと、8番・山下晃平(3年)、9番・黒川梨大郎(3年)の適時打、長友の犠飛と続いて一挙5点。先発の米原佑真(2年)が4回2/3を2失点、2番手の久葉亮太(3年)が6回1/3を3安打4奪三振1失点と長い救援でつないだ。今大会から導入されたビデオ検証を1試合で両校ともに要求したのは、この試合が初めてだった。

救援の柱が6回1/3、疲労はこちらが重い

和歌山大会も5試合すべてを継投で勝ち上がったチームで、久葉、和気、長井、米原と先発・救援を入れ替えられる。ただし3回戦は今大会最長の11回。久葉が投げた6回1/3は事実上の完投級の負担で、そこから中2日という点は仙台育英と条件が同じでも意味合いが異なる。

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数字の上でいちばん差が出ているのは、直近1試合の投球イニングだ。仙台育英が9回で終えた3回戦に対し、智弁和歌山は11回。休養日が1日入ったとはいえ、救援の中心である久葉に長いイニングを求めにくい状況で準々決勝に入る。

一方で得点力は智弁和歌山がやや上回る。仙台育英は3試合で10得点と派手さがなく、1点差での勝利が2度。接戦を落とさない強さと、大きく崩れない投手陣で勝ち上がってきたチーム同士の対戦になる。

準々決勝の見どころ

継投型同士、先発を誰に置くか。 仙台育英は古川・梶井・福井、智弁和歌山は久葉・和気・長井・米原と、どちらも複数投手を組み合わせる形。両校とも中2日で先発の選択肢は残っているが、智弁和歌山は延長11回明けという条件が加わる。序盤にどちらが投手を早く動かすかが、そのまま終盤の余力に直結する。

田山纏を打ち取れるか。 仙台育英の4番は3試合すべてで得点に絡んでいる。開幕試合の大会第1号、2回戦の決勝打、3回戦の初回適時打と三塁打。宮城大会でも打率.615、11打点を記録した。1試合平均2失点の智弁和歌山投手陣にとって、勝負どころで避けられない打者になる。

19年ぶりの再戦。 甲子園での対戦は2007年1回戦以来で、このときは仙台育英が4-2で勝っている。先発した佐藤由規投手が当時の甲子園最速となる154キロを計測し、毎回の17奪三振で完投した試合だった。仙台育英・須江航監督と智弁和歌山・中谷仁監督は親交が深く、準々決勝でぶつかることになった。

この試合の勝者は、8月20日の準決勝に進む。19日は休養日にあたるため、勝者には再び中1日が確保される。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

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