昨年の7月、遂に訪れた「地上波デジタル放送開始」。あの日を境に、約15年頑張ってくれた“テレビデオ”ともお別れ。
思えば、「テレビ」と「ビデオ」が一体となるという魅惑のルックスは新鮮な驚きだった。いやぁ、私のためによく頑張ってくれました……。

何で、こんなノスタルジーに浸っているのか。自分でも不思議なのだが、恐らくこの新野菜を知ってしまったから。日光種苗株式会社が3月中旬より出荷を開始しているのは「ネギ」と「ニラ」を掛け合わせた、その名も「ねぎにら」の苗。
ところで、これはどういう野菜? 細かくご説明させていただくと、母親は宇都宮産で甘みの強い「新里ネギ」、父親は「きぬみどり」という品種のニラだという。
これらを用いて胚培養を行い、96年に栃木県農業試験場で誕生した交配種が、これなのだ。

ルックスは、もう画像の通り。芽ネギというか、ニラというか。ハッキリ言って、どちらにも見間違えてしまいそう。
では、栄養面について。これが凄い。
実はこの「ねぎにら」、カロテン、鉄分、リン、繊維質、糖質など全てがネギよりもニラよりも多く含まれているという。何しろ、鉄分はニラの約2倍、カロテンは約3倍である。

では、肝心の味は?
「不思議なことに、ニンニクの味がするんですよ。本来ならば、ネギとニラを掛け合わせた味がするはずなんですけど(笑)」(日光種苗・小川さん)
奇しくも、栃木県は餃子の消費量において例年1~2位を争っている都道府県。“餃子王国”栃木県にふさわしい新野菜が生まれたわけだ。

これ、ちょっと試してみたいな……。
そこで「ねぎにら」を取り寄せて、実際に試食してみました!
ところで、オススメの食べ方には何があるのか。当然、餃子の具には最高だろう。他にはおひたし、ぬた、サラダ、漬物、鍋物、炒め物など、様々な味わい方でもイイらしい。じゃあ、ちょっと炒めてみようかな?

その前に手に取り、包丁でバサッと輪切りにしてみた。その瞬間、「ねぎにら」の独特の形状が明らかに! 想像していただきたい。ニラの断面は細長くなるし、ネギの断面は丸になる。
しかし「ねぎにら」は、どうやら半月状になるようだ。へぇ~、面白いもんだな!
そして香りなのだが、どちらかと言うとニラに近いかもしれない。食欲をそそる匂いだよ。またこれを鍋で炒めると、より一層のいい香りがしてくる。この香りは何だろう……? 何かに似ている気がするのだけど。ニラ? いや、違う。
わかった、餃子の匂いだ! へぇ~、凄いな。何の調味料もかけていないのに、こんなにも魅力的な香りです。

これを1本かじってみると……。ああ、いいねぇ。個人的には、ネギよりもニラよりも食べやすい。極端な酸っぱさも、キツい臭いもないし、「ねぎにら」独特の甘さも豊富にある。

例えば、この炒めた状態の「ねぎにら」を大盛りの御飯に乗っけて“丼”にしてみたいな。いわゆる、それは“餃子丼”みたいな味。その割に簡単に作れるし。最高じゃないですか!

他にも、楽しみ方は多数。
「あと“つぼみ”をおひたしにし、かつおぶしと醤油をかけて食べると最高です。また花びらを天ぷらにすると、”カリカリ“っとして例えようのない美味しさになります」(小川さん)
へぇ~! 想像しただけで、ヨダレが出そうだよ……。

ちなみに同社では、“家庭菜園用”として「ねぎにら」を販売している。
「基本ベースとしては、年に3回収穫ができますが、栽培が上手な方や温かい場所にお住まいの方は年4回の収穫ができるかも知れません」(小川さん)
現在は同社のホームページにて、9センチのポット苗が販売されている。価格は、2ポット1セットで690円(税込み)。

今、家庭菜園は非常に人気を博しているが、その中でも「人とは違う野菜を育てたい」という人は多いはず。「ねぎにら」は、かなりお手軽に育てられるみたいです。
(寺西ジャジューカ)