朝ドラ「あさが来た」(NHK 月〜土 朝8時〜)10月12日(月)放送。第3週「新選組参上!」第13話より。
原作:古川智映子 脚本:大森美香 演出:西谷真一
朝から床入り、犬張子「あさが来た」13話
NHKドラマガイド「連続テレビ小説 あさが来た」Part1 NHK出版

【13話は、こんな話】
婚礼の日、新次郎(玉木宏)は、三男・榮三郎の後見人となった。
そしていよいよ床入り。姑・よの(風吹ジュン)に犬張子をもらい、ドキドキしながら、流れに身を任せようとしたあさ(波瑠)だったが、新次郎に上手投げを食らわしてしまう。

それぞれの初夜


床入りに立ち会い?  さすが江戸時代! と、朝からざわざわさせられた13話。
新婚初夜、新次郎に肩を抱かれたあさが、両手の指をピンと張って棒立ちしているのが、緊張をよく表していた。せっかくの白檀の香りも効果なかったようで。白檀はサンダルウッドともいい、リラックス効果のある香りなのだが。

その香りをちゃんとわかる新次郎。たしなみってやつですね。
このようになにかと手慣れた感出しまくる新次郎は、お子ちゃま・あさに無理強いしないで今日のところは諦める。それもまた大人の余裕。まあ小指を痛めるほど投げ飛ばされたらやる気も出ないか。
小指をちょいと立てたことで、新次郎のやる気がすっかり萎えた感じに見えるのも遊び心のある演出。

部屋に残されたあさは、ひとり、もらった安産や多産のお守り・犬張子を抱きしめて眠る。義母からもらったものなのに「お姉ちゃん」とはつ(宮崎あおい/崎の大は立)に呼びかけちゃう。
その頃、はつは・・・案内された部屋で何を見たのか。とっても気になる終わり方。
原作だと、はつのモデル春は子供が結婚後たくさん生まれるが、あさのモデル浅子は子供ができるのが遅い。「あさが来た」ではどうなるんだろう。


夫婦漫才


新次郎「もう二度と祝言の日に遅れたりせえへん」
あさ「祝言の日は二度とございません」
新次郎「そやな」

大阪が舞台ということもあって、あさと新次郎は“おもろい夫婦”として描かれていくようだ。
「みんなの知ってるとおりのアホぼんだす」
新次郎は自分をこう表する。
むむ、これはアホのふりをしているパターンだろうか。織田信長や、宮崎あおいが主演した大河ドラマ「篤姫」の家定的な。
ちょっぴりの謎をいれておくのが、魅力的な人物を描く秘訣のようだ。

気になる脇役


床入りの話をよのが無邪気にしているとき、傍らでいやに意味深に反応している女中・かの役は楠見薫。NHK大阪制作の朝ドラの常連と言っていい、関西演劇界では有名な女優。


新次郎に振り回される亀助役の三宅弘城といい、面白空気を振りまく俳優が幾人も配置されていることで安定感がある。三宅は関東の人間だがその軽妙さが「あさが来た」の世界には生きてる気がするが、関西のひとからは彼の大阪弁はどう聞こえるのだろう。
(木俣冬)