性同一性障害の診断はあまり早期に下されるべきではない、自分のような例もあるということを知って欲しいと語るのはパトリック・ミッチェル君。幼い頃から女の子らしい遊びや女装への興味、優しいしぐさなど性同一性障害の傾向を匂わせていたというパトリック君は、7歳の時に母アリソンさんから「世の中にはあなたと同じように、本人が感じる性別と身体的な性別が一致しないことで苦しんでいる人々がたくさんいるの」としてトランスジェンダーや性転換手術の存在を教わると「女の子になりたい」という気持ちをますます募らせた。
思春期には独特の現象に悩み、女の子のような柔らかい雰囲気ゆえ学校ではイジメにも苦しんだ。朝起きて鏡に映った自分の身体を見ることが嫌で嫌で仕方なかったパトリック君は12歳の時、母親と共に専門医のもとへ。
実際に女の子の姿を手に入れ周囲からも女の子と呼ばれるようになり、そこで大きく満足したというパトリック君。その後は以前ほど女の子になることに固執しなくなった。
同番組に出演した小児科医のジョン・ホワイトホール医師は、オーストラリアでは性同一性障害と診断される症例数が10代で激増しているが、よく調べるとその多くが性転換手術が必要な状況とは言えず、未完成な体へのエストロゲン投与には重大な問題があると主張している。一方アメリカでは幼児がリアリティ番組あるいはドキュメンタリー番組に出演して性同一性障害をカミングアウトするに至っている。同様に診断、治療開始の低年齢化も進んでいるようだ。
とはいえ「あの頃、うつ病のように笑顔を失ってしまったパトリックを見るのはとても辛かったのです」とアリソンさんは語っている。
画像は『New York Post 2017年9月8日付「Boy began transitioning into being a girl, then changed his mind」(News.com.au)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)