唐突ですが、略して”デコチャリ”の世界
これぞ勇太郎丸!アツい思いが込められた男の傑作!
みなさん、「デコトラ」って聞いたことありますよね? デコトラは、読んで字の如く「デコレーショントラック」の略で、豪華なペイントや電飾など様々な装飾を施したトラックの事を指します。ここまで言えばお察しかと思いますが、デコチャリはですね……、そうですよ! デコレーションチャリンコの略ですよ! となぜか逆ギレしたところで、今回は謎多きデコチャリについて、デコチャリ愛好家のH君からお話を聞いてみました。
“これさえ読めばあなたも立派なデコチャリスト!”な内容です。

デコチャリは、「デコトラ」同様、自転車に装飾を施した自転車の事。やっている人は全国でも数少ないらしく、H君の周りにもほとんどデコチャリ仲間はいないとの事。見た目が派手なので「暴走族?」と勘違いする人も多いのですが、決して暴走行為を働くわけでもなく、ただ派手な自転車を作る事が目的。むしろマナーには人一倍心がけている方々なんです!
H君にデコチャリに興味を持った理由を聞いてみると、はじまりはデコトラへの興味からだったそう。中学1年生の時からデコトラにハマりはじめたが、免許も何もないのでとりあえず自転車をデコレーションすることに。
ランプをつけたり電光板で飾ったり……、そして写真の勇太郎丸が完成した。ちなみに勇太郎丸は、電飾タイプの飾りを積めば、夜でもピカピカ光らせることが出来る。まさに最強の安全運転自転車と呼べるであろう。

ふと、町を走るデコチャリを想像してみた。買い物客や帰宅する会社員で賑わう夕方、混雑した道で「ちょっと通りま〜す」。人目も気にせず通り過ぎてくデコチャリ、驚く人々……。
なんて素敵な光景なんでしょうか? 町に溶け込むなんて全く考えていない、走るのは道ではなく我が道だ! と言わんばかりの風貌。デコチャリには限りない浪漫が溢れている。もしも町でこんな光景に出会えたとしたら尊敬の眼差しで見つめたい。

H君に「これからもやっていくの?」と質問をしたところこんな答えが返ってきた。「今はバイクに夢中です」。そうですよね、やっぱバイクですよね。
早いもん。とは言いつつも「車の免許を取ったらデコトラ乗りになりたい」と将来を語る彼の口ぶりには何の迷いも感じられませんでした。そんな言葉を聞いて僕は「H君、僕は応援するよ! いい大人になろうな!」と心の中でつぶやきました。(チョーク食べてるくせに)
(木南広明)