バンダイミュージアムの「有終の美」を見に行く
バンダイミュージアムは、「おもちゃのまちバンダイミュージアム」として、来年栃木県壬生町に生まれ変わってオープン予定。なお、ガンダムミュージアムの展示の一部は、静岡市の「バンダイホビーセンター」へ移設予定だそうです。
ガンダム好きの友人たちに、「いつか行ってみたい」「一度は行ったほうがいい」と言われ続けたが、正直、私にはどうでもよかったスポット、「バンダイミュージアム」。

過去にBitでも「松戸『ガンダムミュージアム』へ今更行く」という記事があったが、8月末でいよいよ松戸を去ると聞き、ギリギリの8月29日、熱烈なガンダムファンの友人(女・子持ち)の付き添いとして行ってみることにした。


入り口の「ご愛顧ありがとうございました」という垂れ幕が、「有終の美」を漂わせている。
まずはガンダムではなく、「スーパー戦隊シリーズ」「ウルトラマン」「仮面ライダー」などの展示ゾーン「キャラクターワールド」へ。ここでは就学前の子ども連れの多さにビックリ!
ズラリ並ぶ戦隊は、時代時代でモチーフも武器のテイストも違っていたりと、見ているだけで楽しい。そんな子どもが溢れかえるゾーンを抜け、本命の「ガンダムミュージアム」へ。

ここは予想通り、圧倒的に「大きなお友達」の世界が展開されていた。
だが、驚いたのは、意外にも女子が多いということ! 女子グループ、彼と来ている女の子など、女子の熱気が満ちているのである。

かくいう私の友人も、ベルトコンベアーを流れてくる量産型ザクの中に、1体だけ混ざった「シャアザク」を写メールで撮ることに熱中しすぎて、「どけ!」などと、自分の子をどやし、まわりの男性たちを引かせていた。

TVや雑誌でよく紹介されていた「実物大ガンダムの上半身」ではリフトに乗って顔付近までいけるが、順番待ちしているのも、やはり女子が多い。そこにあるのはファーストガンダムなのだが、撮影用に貸してくれる衣装には『ガンダムSEED』のものもあって、それを選んでいる人も結構多い。なかには「自前」のコスプレをしている本気な人たちもいた。

極めつけは、限られた時間(1分ほど)のリフトが上にあがっている時間内に、2パターンの自前コスプレ衣装を持ち込み、その場で瞬時に着替えて、数パターンの写真を撮るという「小林幸子」テクニックを披露する女性!
これには、周りから「おお!」などと、歓声に近い声もあがっていた。

だが、いずれも、「出番」を終え、静かに着替えると雰囲気が一転、「いかにもオタク」ではなく、すごくフツー、あるいは真面目な雰囲気の女の子たちに戻って退場する。
「ザ・祭りの後」な感じで、物悲しい……。

子供向けフロアと違って、よりディープな人のための演出が多いせいか、俯瞰で見られるガンダムシリーズの展示物・資料が少ないことは、ちょっと残念。私なぞは、「閉店セール」をやってるのにちがいないと思い、「いつか安売りしてたら買おう」と思っていたオモチャ(「マシンロボムゲンバイン」)を探したが、通常価格なうえ、一番欲しいブツは品切れで、ガッカリ。

また、「アルテイシア」「赤い彗星」などという名前のついたカクテルなどが有名な、「ガンダムカフェ」も、ランチは6月で終了。ドリンクなど良心的な価格にもかかわらず、
「意外とフツーだな。もっとこう、ガンダムっぽいプレートのごはんがあったりするといいのにな」
などと、今さら友人はグチっていた。


8月31日、最後のイベントが、実物大ガンダムの「消灯式」。栃木の「おもちゃのまち」への移転後も、期待したい。
(田幸和歌子)