「先攻後攻どちらを選びますか」
の声にかぶりぎみに
peko「先攻!」と叫ぶ。

4人を勝ち抜いたpeko、いよいよラスボス般若との戦い。


即興のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』(http://www.tv-asahi.co.jp/freestyledungeon/)、テレビ朝日/Abemaで毎週火曜日深夜放送。
チャレンジャーが5人のモンスターを倒せば賞金100万円獲得の即興のラップバトル。
即興で、韻を踏みながら、言葉とリズムを相手にぶつける8小節2ターンの勝負だ。
3本勝負、2本先取で勝利。
ただし、判定が全員一致するとクリティカルとなり即勝利確定である。

ROUND1、ビートは「一網打尽/韻踏合組合」。

pekoは、連続して戦っている。
体力も削れている。
だが、勢いは止まらない。
「地元の奴らよく見とけ
テレビの前の奴らよく見とけ」

会場の熱気をひきつれて駆け抜ける。
般若の
「俺がアウトレイジで言や大友」
を受けて
peko「アウトレイジの大友。俺 イカれたブレーキの本物」
と返す。

ブレーキが本当にイカれてる男を見ている興奮で、会場沸く。
「フリースタイルダンジョン」「先攻!」ブレーキが本当にイカれてるpeko般若ラストファイト、感動した
フリースタイルイラスト/まつもとりえこ

審査員のKEN THE 390が、熱く語る。
「(1回しかアンサーできないので先攻は不利なのに)そこでも先攻に取りに行く気持ちが会場を乗せていく」
ROUND1は、3対2でpekoの勝利。

ROUND2、ビートは「証言/Lamp Eye」。
引用の嵐、アンサーの嵐の果てに、
般若「またこの人生1回で このクソゲームに賭けた命」と放つパンチライン。
3対2でラスボス般若の勝利。


1対1で最終ROUNDにもつれこむ。
ビートは「Street Dreams/Zeebra」
peko「先攻ッ!」
攻める姿勢を崩さない。
「俺が本物のHIPHOPドリーム」
と、「Street Dreams」の引用からはじめ、
「アンタのアンサー食らいまくって脳がグラングラン」
から
「それでも胸ぐら」
ときて、
「掴むぐらいのグラップラー刃牙」
対する般若は
「俺が未来のHIPHOPシーン」と宣言。
その後、
「晋平太に負けた俺はダサい」という般若の言葉に
pekoはすごい勢いで首を左右にふる。
般若「俺らはやるしかない」
peko「そうだろう やるしかない」
そして、
「なんでダサいなんて言うんだよ」
と返し、
「アンタの固定観念を破壊 まるでZeebra」

最終ROUND、ジャッジは般若の勝利。
だが、ほんとうのいい勝負は勝ち負けなどぶっばす。

バトル後のpekoが、
「悔しいというよりは」
いまの気持ちにぴったりくる言葉を探すようにして、
「なんか、すごい、なんか」
と繰り返したあとに、
「今からリリック書きたいぐらい」
と語る。
「やりきったぜ俺」と言ったあとに最高の笑顔。

みなぎるパワーが衝突した神回だった。(テキスト/米光一成 イラスト/まつもとりえこ